1999 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア膜タンパク質のトポロジー形成原理の解明
Project/Area Number |
11878128
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阪口 雅郎 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (30205736)
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Keywords | トポロジー / タンパク質立体構造 / シグナル配列 / 膜タンパク質 / 小胞体 / ミトコンドリア |
Research Abstract |
本研究はミトコンドリア膜タンパク質の配列自体に、内膜・外膜への仕分けや、それぞれの膜上でのトポロジー形成に関する情報がいかに書き込まれているかを網羅的に解明しようとするものである。この目的に向けて本年度は、(1)カルボキシル末端にミトコンドリア指向性配列を有するTom5タンパク質の外膜認識シグナル配列の確定、および、(2)この外膜指向性シグナル配列認識細胞質因子の評価系の確立を目指した。(1)シグナルについては、Tom5を蛍光タンパク質であるGFPのカルボキシル末端に融合し、培養細胞において改変タンパク質の局在を迅速かつ簡便に評価することが可能となった。このTom5-GFPの"網羅的な改変体"を作成し、各変異の細胞内局在に対する影響を詳細に検討している。これまでのところ、カルボキシル末端側の"膜結合セグメント"のさらに末端側にある、数残基の正電荷がミトコンドリア外膜認識に必須であることなどが明らかになりつつある。(2)の局在シグナル認識因子については、Tom5-GFP融合タンパク質と細胞質を除いた培養細胞(すなわち"セミインタクト細胞"系)を用いた局在評価系の検討を行った。先ず、大腸菌において"GFP-Tom5"融合タンパク質を大量発現するためのコンストラクトを作成し、大量発現に成功した。現在、組み換えタンパク質の精製条件の検討を行っている。またストレプトリシンを用いたセミインタクト化実験系を導入し、GFP-Tom5融合タンパク質の部分精製漂品を用いて、評価系の至適化を行ったところ、低分子物質や細胞質タンパク質に依存したミトコンドリアへの局在化が見られることが判明した。この評価系を用いて、局在化に必要な細胞質因子の分離・同定に向けて鋭意進行中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakai,T.: "Membrane topology of Alzheimer's disease-related Presenilin1- Evidence for the existence of a molecular species with a seven membrane-spanning and one membrane-embedded structure."J.Biol.Chem.. 274. 23647-23658 (1999)
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[Publications] Kusano,K.: "Protein synthesis inhibitors and ethanol selectively enhance heterologous expression of P450s and related proteins in Escherichia coli."Arch.Biochem.Biophys.. 367. 129-136 (1999)
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[Publications] Sakaki,K.: "Membrane perturbing factor in reticulocyte lysate,which is transiently activated by proteases."FEBS Letters. 454. 345-348 (1999)
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[Publications] Sakaguchi,M.: "マルチスパン膜タンパク質の立体構造形成:親水性膜貫通セグメントの組み込みをも説明する新しいモデル"細胞工学. 18. 102-112 (1999)
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[Publications] Sakaguchi,M.: "小胞体でのタンパク質の合成・膜透過・膜への組み込み"臨床化学. 28. 48-56 (1999)