1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878155
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
桑野 良三 新潟大学, 遺伝子実験施設, 助教授 (20111734)
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Keywords | 神経成長円錐 / mRNA / 蛋白合成 / 海馬の初代培養 / 軸索 / 樹状突起 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
神経細胞の軸索先端にある神経成長円錐は、軸索の伸長や誘導、標的神経細胞の認識として働き、神経回路網の形成に深く関るが、シナプス形成と共に消失する。神経回路網が形成される時に限って、ある種のmRNAは軸索内を輸送され、神経成長円錐に運ばれて蛋白合成されるのでないか、という研究課題を立てた。本年度は、成体回路形成を反映するように、神経細胞が極性を維持し、軸索と樹状突起が識別できるG.Bankerの方法による初代培養細胞系の確立を試みた。 1)フィーダー細胞の準備。新生児マウスの脳を無菌的に摘出し、脳膜を除去し、細切したのち、プラスチックシャーレにまく。多くの細胞は死滅したが、生存した細胞は分裂・増殖してシャーレの上に広がり、これをフィーダーとした。2)マウス胎児海馬の神経細胞の培養。神経細胞の培養に用いるカバースリップは、前もってポリD-リジンでコーティングし、表側にパラフィンの"足"をつけておく。胎齢15.5日胚のマウス海馬を実体顕微鏡下で分離し、組織片をトリプシン処理してカバースリップ上にまいた。翌日、カバースリップ上のマウス海馬の細胞が直接フィーダーに接触しないで向かい合うように、カバースリップをひっくり返して、パラフィンの"足"で支えた状態で培養した。3週間迄培養・観察した。神経先端のフィロポディアにあるFアクチンと特異的に反応するファロイディンあるいは樹状突起に豊富に存在する細胞骨格系のMAP2蛋白に対する抗体で二重染色を行なった。その結果、ファロイディンは突起の先端に染まり、MAP2蛋白は比較的長い1本の突起(軸索と思われる)を除いて陽性に染まった。この培養法で軸索と樹状突起が区別できることを確認した。
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