1999 Fiscal Year Annual Research Report
神経軸索ガイダンス因子レセプターの大規模探索 -後脳展開培養標本を用いた研究-
Project/Area Number |
11878156
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 富士夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20089882)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 裕明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助手 (20314396)
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Keywords | axon guidance / hindbrain / vestibular ganglion / MuSC / mouse / culture / double strand RNA / electroporation |
Research Abstract |
培養系における遺伝子ノックダウン技術の確立のためのモデル分子として、イミュノグロブリンスーパーファミリーに属するMusSC分子を用いているため、基礎実験として発生胚芽におけるMuSCの発現パターンの解析を行った。またマウス後脳二次元展開標本の培養技術の確立、及び培養標本におけるMuSCの発現も確認した。培養標本に遺伝子操作を行う必要があるので、エレクトロポレーションによって標的部位特異的に遺伝子を導入する技術も確立した。 遺伝子ノックダウン技術として、当初はアンチセンスオリゴ方を用いる予定であったが現在までの実験において成功せず、方法的に遺伝子配列依存的であること、効果のあるアンチセンス配列を予測し、選択することの困難さから、未知分子に汎用化するのは難しいとの判断を下した。現在これに代わる方法としてdsRNAによる遺伝子ノックダウンを検討中である。もともと線虫で発見されたこの方法は、生体のウイルスに対する防御機構を利用した特異的遺伝子ノックダウン法であり、線虫では最も強力な方法として普及し始めている。この方法がほ乳類に適用可能かどうかを現在検討中である。予備的な段階ではあるがMuSCのdsRNAを用いてMuSCの発現が抑制されることを確認している。
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[Publications] Tashiro Y.: "Afferents of cranial sensory ganglia pathfind to their target independent of the site of entry into the hindbrain"J. Comp. Neurol.. (in press). (1999)
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[Publications] Yamamoto N.: "Characterization of factors regulating lamina-specific growth of thalamocortical axon"J. Neurobiol.. 42. 56-68 (1999)
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[Publications] 村上富士夫: "フロアプレート由来ガイド因子 -神経回路パターン形成への関与-"細胞工学. 18. 33-38 (1999)
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[Publications] 村上富士夫: "脳の神経回路形成と可塑性の分子機構"生産と技術. 51. 184-186 (1999)
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[Publications] 村上富士夫: "神経回路形成 -軸索の誘引・反発と反応性の変化-"実験医学. 17. 50-54 (1999)