1999 Fiscal Year Annual Research Report
線虫C.elegansストレスタンパク質による安全性評価システムの開発
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11878171
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Research Institution | Fukuyama University |
Principal Investigator |
山口 泰典 福山大学, 工学部, 助教授 (60191243)
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Keywords | ストレスタンパク質 / hsp / 線虫 / C.elegans / 毒性検出 / 安全性評価 |
Research Abstract |
線虫C.elegansから、効率よく純度のよいtotalRNAを抽出する条件を種々検討し、実用的で安定して抽出できる条件を確立した。また、totalRNAから、短時間で再現性良くcDNAを作製する条件についても各種の方法を試み、適切な手法を明らかにした。次に、hspmRNA(cDNA)を定量する手段として、RT-PCRとCCDイメージアナライザーによる方法、競合的PCR法及びPCRカイネティクス分析法によるデータを比較検討した。その結果、GeneAmp2000装置を用いたPCRカイネティクス分析法が、最も再現性良く詳細な分析データが得られ、他の方法より優れていると判断した。これらの手順によって、サイバーグリーン1蛍光色素を用いたPCR産物のリアルタイム定量実験を繰り返し行い、hsp90cDNA量を再現性良く推定できることがわかった。また、得られたPCRカイネティクスデータから検量線を作成することで、それぞれの実験データの信頼性を判定することができ、誤差の大きい失敗実験のデータを排除できることがわかった。一方、細胞質アクチンとグルタメートデヒドロゲナーゼcDNAを用いて対照実験を行った結果、少なくとも熱ショックストレスにおいては、これらのcDNA量に変動がなく、内部標準として適切であることがわかった。本年度の実験によって、基礎的な実験手法、条件を標準化できたので、今後は線虫に与えるストレスの種類と定量するhspの種類を増やしてデータを蓄積する予定である。
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