1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878175
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中林 宣男 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (30014020)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
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Keywords | リン脂質ポリマー / 生体適合性 / 生分解性 / ポリカーボネート |
Research Abstract |
本研究では、生体に優しい生分解性リン脂質ポリマー(新規化合物)の合成法を確立し、化学的な構造・機能解析を行うと伴に医学、薬学への応用を検討することを目的としている。現在、バイオマテリアルの分野で最もポピュラーな生分解性ポリマーがポリ乳酸やポリグリコール酸などの脂肪族ポリエステルである。脂肪族ポリエステルは一見、生体に無害の様に思われるが、分解生成物の残存や分解速度、さらに生体適合性の点でその安全性が問われている。 申請者らは生体膜類似構造に着目して分子設計したリン脂質ポリマーが優れた生体適合性を示すこと明らかにしてきた。そこで、リン脂質極性基を有する生分解性ポリマーを合成する考えに至った。 平成11年度は代表的なリン脂質極性基であるホスホリルコリン基を有する脂肪族ポリカーボネート(PPC)の合成の検討を行った。PPCの基本ユニットとしてホスホリルコリン基を有する1、3-ジクロロイソプロピルホスホリルコリン(DCPC)を1、3-ジクロロイソプロパノールと環状リン酸クロイドを反応させ、トリメチルアミンで開環することにより合成した。DCPCと炭酸カリウムをアセトニトリル中で反応させPPCを得た。重合の際、種々のアルキルジハライドを用い、PPCの親疎水生を制御した。PPCの構造はNMRおよびFT-IRで解析し、PPC中のリン脂質ユニット組成はリンの定量より求めた。PPCの分子量測定はゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて行った。これらの結果より分子量2000程度のPPCを合成できたことを確認した。
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