1999 Fiscal Year Annual Research Report
生分解性ポリエステルと多糖から成る医用高分子傾斜機能複合材料の創成
Project/Area Number |
11878176
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
井上 義夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60016649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉江 尚子 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20224678)
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Keywords | 組成傾斜高分子材料 / 生分解性高分子 / 医用高分子材料 / 高分子複合材料 / ポリエステル |
Research Abstract |
本研究の目的は、生分解性、生体適合性を持つ脂肪族ポリエステルと多糖材料など全く異質の2種の高分子材料を材料の表面から内側に向けて組成に傾斜をつけて複合化し、これにより材料の生分解性、生物活性などの機能に傾斜を持たせた高機能性医用高分子複合材料を創成することである。異質の高分子材料を組成傾斜をつけて複合化する方法を開発することも本研究の目的である。本年度は次の二つの複合系について組成傾斜複合フィルムの作製を検討した。 (1)微生物由来のポリ(3-ヒドロキシン酪酸)と化学合成ポリ(ビニルアルコール) (2)微生物由来のポリ(3-ヒドロキシン酪酸)と多糖材料 フィルム中に組成傾斜を発生させるために、(a)2成分高分子材料を共通溶媒に溶解、混合後、フィルムをキャストする;(b)各成分高分子のフィルムを別々に作製し、重ね合わせて熔融、圧縮する;(c)片方の成分高分子のフィルムの表面に、もう一方の成分高分子の溶液を注ぎ、拡散、含浸させると同時に溶媒を制御条件で除去する、という3方法を検討した。 組合わせ(1)について作製した複合フィルムからミクロトーム(本科研費補助金にて購入)により切り出した超薄切片を光学顕微鏡と顕微FTIRにより観察した結果、方法(c)により共通溶媒を使用して作製したフィルムの厚み方向に組成傾斜が形成されていることを証明することができた。組合わせ(1)について、ポリ(ビニルアルコール)の立体規則性と分子量が組成傾斜に及ぼす効果、組成傾斜複合フィルムの物性と分解性を引き続き研究中である。組み合わせ(2)については使用する多糖材料と共通溶媒を検討している。
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