2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11878177
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
松浦 弘幸 政策研究大学院大学, 政策研究プロジェクトセンター, 助教授 (30262116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 邦彦 東京大学, 国際・産業共同研究センター, 教授 (50192349)
井街 宏 東京大学, 大学院・医療系研究科, 教授 (10010076)
藤正 巌 政策研究大学院大学, 大学院・政策研究科, 教授 (30010028)
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Keywords | 相対論的場の量子論 / QED / Schwinger-Dyson法 / 非摂動論 / 高次相関 / 媒質効果 / 自己相互作用 |
Research Abstract |
長距離相関を考慮した,場の量子論に基づく物性論.原子や分子の距離が非常に大きくなると,非相対論的な量子論は正しい答えを与えなくなり,相対論的効果を取りいれることが必要になる.カシミール相互作用は,非常に遠方で,いずれにせよ相互作用が小さいところで,従来の式を修正するもので通常は重要な働きをしないが,生体内などで良く.見かける大きな分子の分子間または分子内の力や,マクロな世界で重要となる可能性が指摘されている.このために,相対論的な場の理論による枠組みの構築を目指した.我々は,相対論的に不変なQEDの4元ラグラジアンから出発し,正準量子化により光子,電子がカップルした方程式を導いた.有限多体量子系の方程式にするために,古典的な状態(平均場近似部分)と量子効果の項とに分離した.古典的な部分には,バリオン密度が定義でき,電子の古典解はポアソン方程式になる.また,平均場近似法を用いて,重原子をセルフコンシステントに計算した.結果は,過去の実験データを高い精度で再現できた.さらに,Schwinger-Dyson法を用いて量子的な効果を計算することに着手した,この方法は,非摂動論的に高次効果の補正を取りこむ方法であり,共同研究者の中野が核力で成功した非常に強力な計算アルゴリズムである,これは,RFA,ハートリー・フォック法,及びハートリー法を包括する.我々は,光子と電子の場の方程式を経路積分法から導出し,光子と電子の自己相互作用の効果を定式化した.これにより,電子と光子は対等に相対論的に扱われることになり,媒質効果が含まれた相対論的な場の量子論の方法が完成したことになる.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Matsuura.H, Nakano.M: "Heavy Atomic based on Schwinger-Dyson for Formalism"APPC 2000(ISBN981-02-4557-2). 441-443 (2001)
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[Publications] Matsuura.H, Nakano.M: "Atomic Schwinger Dyson Formalism"Autumn Meeting of the Physical Society. 56(2). 68 (2001)
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[Publications] Matsuura H, Nakano M: "Stochastic Dynamics of Muscle and tonic Channel of Neuron"TAMS Newsletter. 35. 50-51 (2001)
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[Publications] Nakano M, Matsuura H: "Application of Diffusion Equation to the Analysis in medical science"BMFSA. 7(1). 85-91 (2001)
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[Publications] 松浦弘幸, 中野正博: "意思決定における経路積分的孝察"第15回シンポジウム(日本計算機統計学会). 359-360 (2001)
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[Publications] 松浦弘幸, 中野正博: "拡散現象から見た生体膜・筋肉"2001秋季大会講演概要集(日本物理学会). 56(2). 280 (2001)