1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11894006
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
笹尾 登 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10115850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永嶺 謙忠 高エネルギー加速器研究機構, 物構研, 教授 (50010947)
永宮 正治 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (90011692)
久野 良孝 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (30170020)
岡田 安弘 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (20212334)
森 義治 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (30124176)
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Keywords | 位相回転法 / ミューオン / LFV / 超対称性理論 / 大統一理論 |
Research Abstract |
本研究は位相回転法を用いて大強度・高品質2次ビームをつくり、それを用いて新しい物理の地平を切り開こうとするものである。研究の主眼は、どのようなビームが可能か?またそれを使ってどのような物理が展開できるか?を検討し、結論を得る事に在る。 まずハードウエアーの観点から成果を述べる。 最初のステップとして、低エネルギーミューオン源が適当である事が判明した。このとき位相回転用加速器として、FFAG(Fixed Field Alternating Gradient)が最も得策であると結論した。主たるビームの設計仕様は、(1)強度=10^12μ/sec、(2)平均エネルギー(E)=20MeV、(3)分散(ΔE/E)<5%、(4)パルス繰り返し=1000Hz等である。この強度は現存するミューオン源の1万倍以上である。 次に物理の側面からの検討結果を記す。 このビームの特徴を最大限に生かす実験はμ→e変換実験である。このモードは素粒子の標準理論により完全に禁止されているが、「SUSY-GUT」模型等ではこのモードの存在が予言されている。従って、もしこのモードの存在を確認すれば新しい素粒子像を築く上で画期的である。これ以外にもμ→eγやμ→eee等のモードも有力である。またμの寿命測定によりフェルミ結合定数が決定できるが、このビームを使う事により測定精度を大幅に改良する事が出来、標準模型の検証に役立つものと考えられる。その他、物性物理や生命科学においてもこのビームを用い大きな飛躍が期待できるであろう。これらの成果は国際ワークショップ(High Intensity Muon Source 1999)で発表された。また独自の成果報告も出版する。
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Research Products
(1 results)