1999 Fiscal Year Annual Research Report
土壌コロイドの表面化学的性質とその出現のダイナミクス
Project/Area Number |
11896007
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
足立 泰久 筑波大学, 農林工学系, 講師 (70192466)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 智之 香川大学, 農学部, 助教授 (40184535)
中原 治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10253519)
溝口 勝 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00181917)
南條 正巳 東北大学, 大学院・農学系研究科, 助教授 (60218071)
中石 克也 茨城大学, 農学部, 助教授 (40180236)
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Keywords | 土壌 / コロイド / キャリア / 物質移動 / モデル化 / 吸着 / 重金属 / 水理 |
Research Abstract |
本研究の全体像は、(1)土壌コロイドの表面化学的な性質の解明とそのモデル化、(2)汚染物質のキャリアとしてのコロイドの水理学的モデル化、(3)水文学的スケールからみたモデル化に要求される視点、の3つのスキームに区分される。以下、それぞれのスキームごとに調査検討した内容を本研究のカテゴリーである企画調査の観点より要約する。 (1)の論点は以下の2つである。第一の論点は、移動現象を記述するうえから化学物質の土壌表面に対する吸着、収着、核形成、表面沈殿等の集積現象のモデル化に必要性を明確にした点にある。第二の論点は、力学特性や物質移動特性の解析に表面化学的立場から足がかりを与えるための視点を特に表面水の物理化学的性質の観点から明確にすることの必要性を明らかにした点にある。これらの両者に関連する研究は、今後飛躍的に発展する潜在性を有していると分析された。 (2)のカテゴリーでは熱力学と水理学の両者を駆使したキャリア自体の運動の解析が必要であるが、運動法則の第一原理に基づくモデルの構築には限界があり、第1スキームで得られる情報を前面に出せるような大胆なモデル化が有効と考えられる。ここでは特にその試みとして、固体の体積分率から解析の長さスケールを導いて解析する方法、粒子間接点数に着目する方法、さらにはStern層の横方向の移動度を解析する方法などを提案し、その実用性を討議した。 (3)では環境に対する負荷という点より、土壌浸食に伴って移動する栄養塩や農薬の問題と、放射性物質等の有害な重金属が地層中をコロイドにくっついて移動する問題とが、キャリアとしてのコロイド粒子の問題に水文学的スケールで関わっていることを明確にし、これらの問題を扱う体系を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 溝口勝: "土粒子表面と水の相互作用"農業土木学会誌. 67. 1233-1239 (1999)
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[Publications] 軽部重太郎: "力学性から見た粘性土に対するアルミニウムの構造形成効果"農業土木学会論文集. 199. 53-59 (1999)
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[Publications] Ishida T.: "Dielectric relaxation spectroscopy of kaolinite,montmorillonite,allophane and imogolite under moist conditions"Clay and Clay Minerals. 48. 75-84 (2000)