2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F00327
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
横山 順一 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAKE MatthewJames 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 宇宙ひも / スーパーストリング / 位相的欠陥 / 余剰次元 / 重力波 |
Research Abstract |
本研究の目的は、宇宙論的スーパーストリングを用いることにより、宇宙論的な観測から余剰次元の証拠に迫ることにあるが、本年度はまず一般のストリングが背景時空に及ぼす影響を考察した。すなわち、一様等方なフリードマン・ルメートル・ロバートソン・ウォーカー(FLRW)宇宙の中で、対称性の破れに伴って宇宙ひもが生じた場合、それが時空にもたらす影響がどのように伝搬するかを線型摂動論を使って評価した。その結果、光円錐の外側は厳密なFLRW計量にとどまっている、光円錐に沿って重力波のショック波が走り、光円錐とサウンドホライズンの間は重力波のみが存在する、サウンドホライズンの内側では重力ポテンシャルや流体の揺らぎが励起されている、宇宙ひもの十分近傍ではよく知られている欠損角のある時空構造に落ち着く、ということを示した。本研究については、学振研究員の須山輝明氏とともにすでに論文を執筆し、フィジカルレビューDへの掲載が決定している。 また、宇宙論的スーパーストリングが膨張宇宙を運動する際、どのような作用関数に従うかを解析的に考察するため、通常の宇宙ひもの従う南部後藤作用に対して、余剰次元の存在がもたらす補正項を計算する第一歩として、具体的なループ解を余剰次元の効果を入れて構成した。余剰次元の存在が、4次元時空にはない自由度が運動に追加されることが特徴である。本研究については、現在論文を執筆しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
LAKE研究員は病気療養のため本国に一時帰国しなければならなかったため、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高次元理論におけるストリングの解析解を求め、これを4次元時空におけるニールセン・オルセンストリング解を変更した近似解と比較し、その物理的意味を考察する。それに基づいて当初研究計画を遂行する。
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Research Products
(3 results)