2011 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア域における降水雲微細構造の海陸コントラスト
Project/Area Number |
11F01022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MARZUKI 京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 静止気象衛星 / 国際共同観測 / 熱帯域インドネシア / 降水特性 / 雲分布 / 降雨粒径分布 / DSD / 海大陸 |
Research Abstract |
インドネシア周辺の島嶼領域は、海と陸が共存するユニークな地理的特徴から、"インドネシア海洋大陸"と呼ばれる。インドネシア海洋大陸は、海水面からの豊富な水蒸気の供給により、地球上で最も積雲対流活動が活発な地域の一つであり、地球規模の大気循環・水循環に大きな影響を与える。多様性を持つ降水メカニズムの解明には、従来用いられている雨滴体積の積分量(降水量)計測ではなく、雨滴粒径分布(DSD)の計測による降水物理量の定量的把握が重要であるが、これまで観測データは圧倒的に不足している。本研究では、ウィンドプロファイラー(WPR)及びディスドロメータ(雨滴粒径分布計)の地上観測網を用いて、インドネシアにおける降水雲微細構造の時間・空間変動を定量的に解明すること、衛星観測データも用いて詳細に解析し、降水雲微細構造の海陸における相違を明らかにすることを目的とする。 東西5000kmにわたり多様な地形を持つインドネシアでは、インドネシア全体に跨る観測網が、降水特性の定量的解明に不可欠である。地球観測システム構築推進プラン「海大陸レーダーネットワーク構築」により、コトタバン(スマトラ島)・ポンティアナ(カリマンタン島)・マナド(スラウェシ島)・ビアク(ニューギニア島近傍の小島)に、赤道上を東西に貫くWPR観測ネットワークが構築されている。 今年度は各WPRサイトにディスドロメータを設置し、DSDの連続観測を開始した。これらを用いた高時間・高度分解能での風速3成分や降雨特性の連続観測を実施するとともに、コトタバンにおいてGPSラジオゾンデや気象レーダーによる集中観測を実施した。また、静止気象衛星による雲頂分布データを用いて、インドネシア海洋大陸域での降水雲の伝搬特性について解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までにインドネシアの西端から東端に至る雨滴粒径分布(DSD)地上観測網の構築が完了しており、連続観測を実施している。また、GPSラジオゾンデや気象レーダー観測も実施し、データ解析を進めているところである。静止気象衛星による雲頂分布データを用いたインドネシア海洋大陸域での降水雲の伝搬特性に関する研究については、既に下記の論文として投稿済みである。以上より、研究は順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
当初計画通り、雨滴粒径分布計(ディスドロメータ)、ウィンドプロファイラ(WPR)、気象レーダー、GPSラジオゾンデ、静止気象衛星、TRMM(熱帯降雨観測衛星)などによる観測データを総合的に解析して、インドネシアにおける降水雲微細構造の時間・空間変動特性や、降水雲微細構造の海陸における相違を明らかにしていく。
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