2012 Fiscal Year Annual Research Report
インドネシア域における降水雲微細構造の海陸コントラスト
Project/Area Number |
11F01022
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
橋口 浩之 京都大学, 生存圏研究所, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京都大学, 生存圏研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 静止気象衛星 / 国際共同観測 / 熱帯域インドネシア / 降水特性 / 雲分布 / 降雨粒径分布 / DSD / 海大陸 |
Research Abstract |
インドネシア周辺の島嶼領域は、海と陸が共存するユニークな地理的特徴から、"インドネシア海洋大陸"と呼ばれる。インドネシア海洋大陸は、海水面からの豊富な水蒸気の供給により、地球上で最も積雲対流活動が活発な地域の一つであり、地球規模の大気循環・水循環に大きな影響を与える。多様性を持つ降水メカニズムの解明には、降水量だけでなく、雨滴粒径分布(DSD)の計測による降水物理量の定量的把握が重要であるが、これまで観測データは圧倒的に不足している。本研究では、ウィンドプロファイラー(WPR)及びディスドロメータ(雨滴粒径分布計)の地上観測網、さらには衛星観測データも用いて、降水雲微細構造の海陸における相違を明らかにすることを目的とする。 東西5000kmにわたり多様な地形を持つインドネシアでは、インドネシア全体に跨る観測網が、降水特性の定量的理解に不可欠である。地球観測システム構築推進プラン「海大陸レーダーネットワーク構築」等によって、コトタバン(スマトラ島)・ポンティアナ(カリマンタン島)・マナド(スラウェシ島)・ビアク(ニューギニア島近傍の小島)に構築された、赤道上を東西に貫く各WPR観測サイトにディスドロメータを設置した。これらを用いた高時間・高度分解能での風速3成分やDSDの連続観測を実施するとともに、コトタバンにおいてGPSラジオゾンデによる集中観測を実施した。過去の研究からDSDは海陸で異なる特徴を示すと言われているが、4地点とも海洋的な特徴が卓越すること、コトタバンとポンティアナでは陸上的な特徴も有していること、また、ポンティアナでは他の3地点に比べて特に大粒径が卓越する特徴があることを見出した。また、静止気象衛星による雲頂分布データを用いて、インドネシア海洋大陸域での降水雲の伝搬特性についても解析した。
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Research Products
(9 results)