2012 Fiscal Year Annual Research Report
電子-イオン同時計測運動量分光法による2重スリット干渉および光電子回折の研究
Project/Area Number |
11F01028
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上田 潔 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MONDAL Subhendu 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 光電子回折 / 放射光 / 自由電子レーザー / 原子分子 |
Research Abstract |
異核2原子分子CO、多原子分子BF_3やCF_4について、分子軸を固定させることなく、光電子回折と等価なEXAFS信号、つまり一方の原子の内殻から放出された電子が、他方の原子に散乱され、直接放出されてくる電子と干渉を引き起こすことによる断面積の振動現象を観測することに成功している(投稿中)。これらの結果から中性基底状態と内殻イオン化状態の分子構造を引き出すことアルゴリスムを完成し、CO分子を例としてab initio計算を直接実験値にフィットされることで中性基底状態と内殻イオン化状態の分子結合長を同時に求めることに成功した(投稿準備中)。また、SCSS EUVFEL実験施設で得られる強力なEUVFELパルスを用いてヘリウム原子2光子イオン化やキセノン原子2光子2重イオン化の光電子角度分布計測を行っていたが、理論との比較を行い、論文として公表した(J.Phys.B,acccepted)。SACLA XFEL実験施設ではアルゴン原子のK殻イオン化やキセノン原子のL殻イオン化に続いて起こるオージェカスケードが高々10フェムト秒の間に繰り返し起こることを見出した(Phys.Rev.Lett.in press;J.Phys.B投稿中)。現在、これらの知見をもとに、SCSSEUVFEL実験施設でのEUV+NIR2色イオン化実験のデータやSACLA XFEL実験施設での重原子を含む有機分子の多光子多重イオン化実験のデータ解析を進めている。
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