2012 Fiscal Year Annual Research Report
従来原理の限界を超える超精密「進行波軸受」実現への挑戦
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11F01054
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
社本 英二 名古屋大学, 工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SENCER Burak 名古屋大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 流体軸受 / 進行波 / 非接触浮上 |
Research Abstract |
著者らは、軸受面の外周から中央へ向かう進行波を発生させることで強力な浮上力を発生する非接触流体軸受を発案している。本軸受は、従来原理の実用上の限界を超える軸受圧力(耐荷重)を発生し得る可能性を持ち、原理的に電気的制御性を有し、吸着から浮上までの広い範囲で、高い応答性(流量が少ないため)を実現し得ることが期待される。そこで本研究では、進行波軸受原理により、従来原理の限界を超える性能(高剛性、高耐荷重、制御性)を有する精密軸受の実現を目指している。 本軸受は、上記のように独創的な原理によって、従来にはない多くの特長を有している。しかし、研究としては初めての試作機によって非接触浮上が確認された初期段階にある。このため下記研究を実施し、従来原理では実現し得なかった超精密、高剛性、高耐荷重、制御性を有する軸受開発を試みた。 本年度は、剛性および耐荷重性能を向上することを目指し、軸受媒体として液体を用いる進行波軸受を提案するとともに、その解析モデルを構築した。その結果、想定通りに剛性・耐荷重性能が大幅に向上することを確認した。しかし、進行波に起因する軸受振動が顕著に発生する問題があることも明らかとなった。このため、進行波発生用アクチュエータに与える駆動電圧に、進行波に同期するオフセット電圧を与えて振動を抑制する手法を提案した。解析モデルに本手法を組み込んで確認した結果、良好に振動を抑制し得ることを確認している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特に大きな問題等が発生しなかったことから、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
順調に進展していることから、今後も研究計画に沿って開発を進める。
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