2011 Fiscal Year Annual Research Report
プロセス・トモグラフィー法によるマイクロ流路内粒子濃度分布の3D可視化
Project/Area Number |
11F01056
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
武居 昌宏 千葉大学, 大学院・工学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHOI Jeeun 千葉大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 流体工学 / 混相流 / トモグラフィー / 可視化 |
Research Abstract |
現在、遺伝子解析や細胞挙動計測が広く研究されていますが、バッチ解析(リアルタイムではない解析)が主流で、非常に多くの時間と労力を要し、次世代の超高速解析の足かせとなっています。微小細胞や遺伝子の超高速解析は、急務の研究課題となっています。その解決の一つの可能性が極微小なマイクロ流路であり、遺伝子の特長により形状が異なることで遺伝子濃度の違いが生じる性質を利用し、マイクロ流路内のDNA泳動挙動計測装置の開発や、DNAリアルタイム解析技術などのバイオ流体チップの研究開発を進めています。その実現には、流路内のナノ粒子濃度や、流速の多次元計測が非常に重要なキーポイントとなります。例えば、ナノオーダーレベルの計測が不可能であったフローサイトメトリーについて、マイクロ流路の垂直断面全体を通過する混相状態の粒子濃度分布、粒子流速分布、粒子数分布、粒子流量分布、加濃度分布を多次元的に求められ、超高速のフローサイトメトリーを実現することが可能です。 1年目の平成23年度のテーマは、「高解像度マイクロ・プロセス・トモグラフィー法の確立」です。実施した研究項目は、(1)多数の電極を埋め込んだマイクロ流路の製作、(2)超高速スイッチング装置のプログラミングと調整、(3)マイクロシリンジポンプからの定量供給における画像再構成の調整、(4)マイクロ流路内のナノ粒子挙動の多次元マイクロ・プロセス・トモグラフィーによる可視化計測実験でした。(1)では、MEMS技術を駆使して80個の電極を埋め込んだマイクロ流路の製作を製作しました。(2)では、80個の電極間の超高速スイッチングと電位印加の同期を取るために抵抗を測定しマイクロ流路のセンサの安全性を確認しました。(3)では、マイクロ・プロセス・トモグラフィー法を利用してマイクロ流路の断面の画像再構成を行いました。(4)では、マイクロ流路内のマイクロ粒子挙動のマイクロ・プロセス・トモグラフィーによる可視化計測実験を行いました。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
電極80個を内装したマイクロ流路の製作に成功し、実験装置を構築し、固液二相流のキャパシタンスを測定し、マイクロ粒子の三次元的な分布を求めることができました。場所による固液二相流のマイクロ粒子の三次元的な分布を測定しました。この結果によって、マイクロ流路内のマイクロ粒子の流れの変化が分かりました。
|
Strategy for Future Research Activity |
実験結果を検証するためにCFDによりシミュレーションを行う。さらに粒子の大きさによる流れの変化や速度、粒子濃度分布の研究もする予定です。マイクロ粒子の電極を利用して、バイオ粒子の分離やマニピュレーションシステムを適用するために電気泳動や誘電泳動の研究も行う。
|
Research Products
(14 results)