2011 Fiscal Year Annual Research Report
6自由度の運動, 圧力・温度の同時測定可能な高感度ポリマーMEMSセンサーの研究
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11F01057
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
大上 芳文 立命館大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DINHXUAN Thien 立命館大学, 総合理工学研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | マイクロポンプ / 加速度センサー / 撹拌装置 / MEMS |
Research Abstract |
1.本研究対象の基礎部品となるマイクロポンプは,その天井部に接合された隔膜が振動することによって流体を押し流す.ピエゾ素子によって振動する隔膜に作用する電磁九流体力,さらに隔膜の変形に要する力を考慮し,的確にシミュレーションを行った.さらに,流体と隔膜を一体とする境界上条件を提示した.一連のシミュレーションの結果,従来の10倍以上の流量を達成するマイクロポンプの設計が行えた.また,供給する電磁力,すなわち必要電力との関係も明らかにした. 2.流路内に噴流を生み出す装置を設計し,装置に与えられた角速度によって生じる速度変化を的確に検知するためのシミュレーションを行った.その結果,6自由度,すなわち3軸方向の加速度と回転の検知が可能となるセンサーの開発が可能となった. 3.2の方法とは全く異なり,ヒーターを用いて熱塊を作り,その動きを検知する(すなわち,温度変化を検知する)手法によっても,軸方向の加速度と回転の測定が可能となることを明らかにした(熱検知型加速度センサーと呼ぶ).これは従来の手法よりも高性能であることを示し,特許の申請を行った. 4.すべてのセンサーを盛り込んだプロトタイプを作製するには費用と時間がかかるため,基本的なマイクロポンプの実験機を作製し,シミュレーションの結果と比較検討を行い,その計算手法や境界条件で用いたモデルの妥当性をや計算精度の確認を行った. 5.米国での国際会議(2011ASME Int.Mechanical Engineering Congress and Exposition),日本での国際会議(8^<th> Int.Conf.Flow Dynamics),さらにいくつかの国内の会議で研究報告を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では,すべてのセンサーを盛り込んだ装置を作製する予定であったが,費用と時間が予想以上にかかるため,基本的なマイクロポンプの実験機を作製し研究を遂行した.
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Strategy for Future Research Activity |
前述のように新規性のある「熱検知型加速度センサー」のアイデアが生まれており,特許の申請も行っている.そのために,本センサーの精度,性能をより詳しく研究することを本年度の研究計画に加える.本年度はこの新しい装置,および昨年度まで取り組んでいた装置の精度と感度,性能を最大限に発揮できるような設計を行い,実用化に向けての基礎を築く.
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Research Products
(11 results)