2011 Fiscal Year Annual Research Report
微細制御高機能性ナノ材料の合成と太陽エネルギー変換材料への応用
Project/Area Number |
11F01070
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
奥山 喜久夫 広島大学, 大学院・工学研究院, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NANDIYANTO AsepBayuDani 広島大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
|
Keywords | ナノ粒子 / 液相法 / 噴霧乾燥法 / 噴霧熱分解法 / 低屈折率材料 / 光触媒材料 / ナノ粒子構造体 / 形態制御 |
Research Abstract |
本年度では、各種の機能性ナノ粒子の合成が比較的容易な液相法及び噴霧熱分解法によるナノ粒子の合成に注目し、液相法及び噴霧熱分解法によりナノメータオーダの太陽エネルギーに関する粒子を製造し、合成されたナノ粒子のサイズ分布、結晶構造、形態などを操作因子と関連づけることを目的に研究を行った。まず実験に用いる反応装置の設計および製造を行い、製造する粒子の粒子径および粒子形態を精密に制御するために、二種類の反応装置を製作した。一つ目の反応装置は液相法による微粒子の反応装置で、もう一つは噴霧乾燥や噴霧熱分解による微粒子の製造装置である。開発した液相反応合成装置では、低屈折率材料として利用されるフッ化物系ナノ粒子(フッ化マグネシウムおよびフッ化カルシウム)を合成し、原料濃度、操作温度、撹絆速度が粒子径や粒子形態、結晶性に及ぼす影響について詳細に調査を行った。また合成したフッ化物ナノ粒子については、屈折率を測定し、粒子のサイズおよび結晶子径が屈折率へ及ぼす影響について評価した。その結果、結晶性の高い粒子ほど屈折率が低くなることがわかった。また噴霧乾燥・熱分解装置では、光触媒材料である酸化タングステン微粒子の合成を実施した。本研究では、白金担持量や、粒子構造体の種類(ポーラス粒子や中空粒子など)が触媒性能に及ぼす影響について調査を行い、ポーラス構造を持つ酸化タングステンがナノ粒子よりも高い性能を示す事が明らかとなった。またポーラス構造を持つ酸化タングステン微粒子の製造においては、テンプレート材料であるポリマー粒子を自ら合成することで、サイズや電荷などが制御でき、これまで以上に幅広い操作条件で粒子合成および触媒性能評価を実施することが可能となった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、液相反応合成装置では、粒子径や形態が制御されたフッ化物系ナノ粒子を合成し、屈折率との相関性を明らかにし、噴霧乾燥・熱分解装置では、酸化タングステン微粒子のポーラス構造体や中空粒子を合成し光触媒性能に及ぼす影響について詳細に調査を行い、それぞれ良好な結果が得られている。以上の理由でおおむね順調に進展しているとした。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、引き続き前年に製造した反応装置を用いて微粒子の合成実験を行い、製造した粒子をXRD、TG-DTA、FTIRおよびSEMといった分析装置を用いて、特性評価を行う。また、合成したナノ粒子の薄膜化には、スピンコーティング法、ディープコーティング法などを用いる。この際、薄膜化には自己組織現象を用い、薄膜の屈折率や電気特性を評価する。この薄膜化において、粒子のサイズと形態を広く変化させて、性能を比較する。年度末には、研究成果の論文化を行う。また、前年度と同様に、研究成果を国内の学会において発表する予定である。
|
Research Products
(4 results)