2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01092
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
STRUSSMANN C.A. 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RAHMAN S.M. 東京海洋大学, 海洋科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 凍結保存 / 魚類 / 配偶子 / 胚 / 凍結保護物質 / トレハロース / CaCl_2・MgCl_2 / エレクトロポレーション |
Research Abstract |
本研究では、絶滅の危機にある魚類の保全や貴重な魚種の遺伝子の保存・有効利用を最終目的として、魚類胚の凍結保存技術の確立を目指す。2年間の研究期間で、最新の知見と技術を導入して凍結保護物質浸漬条件の開発に加え、生物学的手法やSodium Alginateマイクロカプセル、凍結保護物質のマイクロインジェクション、液体窒素・液化冷媒(フロン)・プログラムフリーザーによる急速凍結などを検討する予定である。本年度(平成23年9月~平成24年3月)については、実験材料に用いるシロギスの受精卵・胚の物理的(電気パルス)と化学的(CaCl_2、MgCl_2など)な処理が卵膜の透過性に及ぼす影響を調べた。生体細胞を凍結保存する際、細胞の機能や生残率を高く維持するため、凍結する前にその細胞に凍結保護物質を浸漬させることが必要不可欠である。一方、現在使われている凍結保護物質の殆どは生体への毒性が強いため、凍結・解凍した試料に含まれる有毒な凍結保護物質を速やかかつ効率的に除去することが必要である。以上のことから、卵膜の透過性の向上を本研究の最初の課題として取り上げた。平成23年度にこの課題に関して行われた調査の結果、電気パルス(エレクトロポレーション)および二価イオン(CaCl_2・MgCl_2)処理は非常に効果的であることが判明し、それらの処理によって試料への凍結保護物質の浸透は未処理区に比べて最高で200%程度増大した。また、凍結保護物質浸透処理の前に試料をトレハロース処理することによって凍結保護物質の浸透が促進されることを明らかにした。なお、それらの成果は近頃、学術論文および学会発表にて公開する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
短い期間(6か月)にも関わらず、最初に挙げられた課題について確実に成果を上げているから。また、近頃本研究の成果を学術論文および学会発表にて公開する予定であるから。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点で特に推進方策の変更が必要はないと判断しているので、概ね当初計画の通りで実施する予定。
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