2011 Fiscal Year Annual Research Report
院内感染症による経済的アウトカムの正確な定量化 : 方法論と日本の病院への適用
Project/Area Number |
11F01108
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
今中 雄一 京都大学, 医学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE JasonWeiMing 京都大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 院内感染症 / 医療費 / 医療の質 / 医療経済 / 抗生剤 |
Research Abstract |
日本の医療政策立案者や病院経営者の院内感染対策における財政上の意思決定をサポートするため、大規模な分析で日本の病院における院内感染症の経済的アウトカムを正確に算出する必要がある。この目的を満たすために、まず院内感染症による追加医療費(Cost of Healthcare-Associated Infections: 以下COHAI)と追加在院日数が多施設の病院で算出できるよう、より正確の高い推計方法を同定する。COHAIを算出する推計方法は幾つか存在しているが、方法によってCOHAIが大きく異なっていることが分かっている。本研究の目的は、追加医療費(COHAI)と追加在院日数を算出する幾つかの推計方法の比較分析を行い、大規模データにおいてより正確度の高い方法を同定し、多施設の分析へ適用することにより、COHAIと追加在院日数を計算することである。 分析対象基準を次のように選別した。(1)胃がんで胃切除術を受けるために入院した患者、(2)20歳以上の患者、(3)在院日数が7日以内および90日以上の患者、(4)同じ入院で胃切除術前に他の手術を受けていない患者の4つである。 最初のstudy sampleは2007年から2010までに入院した約1万5千人の胃切除術患者であった。Study sampleに、リー博士が開発した感染症同定アルゴリズムを適用し、院内感染症を同定した。そして、リスク調整されていないCOHAIは33万円と算出された。COHAIのリスク調整するモデルとして、重回帰モデルを利用した。入院費は正規分布していないため、目的変数が対数変換された入院費である。リスクを調整した説明変数は、年齢や性別のような患者特性あるいは入院時併存症などであった。 予備段階の結果では、重回帰分析でリスク調整がなかった場合とあった場合の間に1.4倍ほどの差があることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の対象は、多施設からの医療管理データ、(administrative data)を使用しているため、サンプルサイズが大きい、質の高いデータは得られることができ、計画通り、最初の一年はCOHAIの算出モデルを作成し、予備分析などを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本共同研究の次年度推進方策は、研究計画通り、リスク調整モデルを改良し、COHAIをより正確に算出することである。また、このリスク調整モデルを、多施設の病院に適用することを行う。
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Research Products
(4 results)