2011 Fiscal Year Annual Research Report
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11F01327
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 正仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU ZhiFang 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 量子現象 / 物性理論 / 低温物性 |
Research Abstract |
冷却原子気体は固体物理系でしばしば遭遇する複雑さを有しない量子物理を研究する理想的な系である。最近、イアン・スピルマンのグループは擬1/2スピンのボース粒子系でスピン-軌道相互作用を実装する方法を提案したが、これは冷却原子系を制御する上で新たなツールが生まれたことを意味する。我々は、これをスピンという内部自由度を有したスピノールボース・アインシュタイン凝縮体へ適用して、可能な基底状態を原子スピンが1/2、1、2のそれぞれの場合について調べた。 擬スピン1/2の場合は、単一軌道の平均場はすべて時間反転対称性を破る。これを破らないためには、少なくとも2個の軌道を原子が占有する必要があり、これは凝縮体がフラグメントしていることを意味している。スピン-軌道相互作用が存在する場合に自発的に発生する様々な渦構想についても研究を行い、三角格子やカゴメ格子の形成についても研究を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで、スピン-軌道相互作用にある系について周期的なトラップポテンシャルである光格子が存在しない場合についての様々な基底状態について調べた。その結果、三角格子やカゴメ格子などが自発的対称性の破れの結果として表れることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も現在の研究を引き続き推進する。とりわけ、スピン-軌道相互作用を実装する実験的にシンプルな方法を探求する。また、これまで行った2次元系の研究を3次元系へ拡張する。更に、磁気的双極子相互作用とスピン-軌道相互作用の相乗効果についても研究する予定である。
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