2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01327
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 正仁 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU ZhiFang 東京大学, 大学院・理学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 量子理論 / 物性理論 / 低温物性 |
Research Abstract |
人工ゲージ場により中性原子気体に生じたスピン・軌道相互作用のもとでのBECの分類法の研究を行い、強いスピンー軌道相互作用をする(擬)スピン1/2,1,2のスピノルボース・アインシュタイン凝縮(BEC)の基底状態を対称性に基づいて分類する方法を開発した。SO(2)スピン・空間回転対称性から離散対称性へと対称性の破れが起こると、光格子ポテンシャルが存在しなくても系は自発的に格子構造を発現することが見出された。例えば、擬スピン1/2の系では2種類のカゴメ格子が現れる。また、スピンが2のBECでは1軸と2軸のネマティック相が交互に並んで格子を組むことが見出された。擬スピン1/2の系では、平均場状態は時間反転対称性を常に破るが、多体的な基底状態では時間反転対称な基底状態が存在することが示される。この状態は分裂した凝縮体と呼ばれ、原子数が小さな凝縮体で実現されるものと期待される。この研究はPhysicalReviewA誌に掲載された(Z.F.Xu, Y.Kawaguchi, L.You, and M.Ueda, Phys.Rev.A86,033628)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、当初計画に従ってスピン-軌道相互作用を行うスピノールBECの研究を行った。昨年度に数値的に見出された現象を統一的に理解することが目的であったが、これが達成できたと判断される。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究はスピン-軌道相互作用をスピンをもったBECへ持ち込むことによって実現するので、それを実験に実装するための方法を考えることが今後の研究の指針の一つとなる。また、最近になって強いダイポール相互作用をする原子種が実験的に実現されているので、その物性を調べる探索的研究も始める予定である。
|
Research Products
(3 results)