2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01327
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 正仁 東京大学, 大学院理学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
XU Zhi Fang 東京大学, 大学院理学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ボース・アインシュタイン凝縮 / 冷却原子気体 / スピン軌道相互作用 |
Research Abstract |
磁場勾配パルスを用いてRashba型およびDresselhaus型を含む一般的なスピン―軌道相互作用を作りだす方法を提案した。従来の方法はドレスド状態にある原子の断熱的運動に基づく方法であったが、我々は原子が持つ磁気モーメントが外部磁場と結合するという自由度を用いることによって、ドレスド状態と断熱的運動に制限されないスキームを提案した。基本的なアイデアは、外部磁場に空間依存性を持たせることによって、原子の内部状態のゼーマン分裂が空間依存性を持ち、それが今度は波動関数の位相の変化に空間依存性を生みだし、それがゲージ場として作用するというアイデアである。2次ゼーマン効果により原子のゼーマンシフトはスピン状態によって異なるために、その自由度を利用することで任意のタイプのスピン―軌道相互作用相互作用が生成できる。次に、対称性に基づいた、スピン―軌道相互作用をするスピノールBECの基底状態の系統的な探索を行った。2次元のスピノールBECではスピンと空間を同時にSO (2)回転することによって系の状態は不変であるという性質とスピノールBECの持っている離散対称性が組み合わさることによって、ストライプ、三角格子、四角格子、カゴメ格子などの様々な空間構造が自発的対称性の破れによって生じることを示した。また、これらの格子構造がトラップ系においても現れることを数値計算によって確かめた。更に、スピン―軌道相互作用が存在するスピノールBECの基底状態にけるトポロジカル励起の研究を行い、系を回転させることなく様々な種類の渦が発生することを見出し、その物理的起源がゲージ、スピン、および空間回転対称性の自発的破れによることを指摘した。そのような複合的対称性の破れは渦の種類だけでなく、渦の内部構造をも決定する場合があることを指摘した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、スピン軌道相互作用をするスピン自由度を持ったボース・アインシュタイン凝縮の研究を、スピン軌道相互作用の新しい生成法、それによる様々なスピン構造の自発的発生、および、トポロジカル励起の系統的な研究を行うことであった。これらすべての目的を達威し、それを出版することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(2 results)