2011 Fiscal Year Annual Research Report
過冷却液体・ガラスの結晶化における静的・動的不均一性の役割についての研究
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11F01328
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 肇 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60159019)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RUSSO John 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 過冷却液体 / ガラス / 結晶化 / 核形成成長 |
Research Abstract |
本研究は、ボンド配向秩序が及ぼす結晶核形成への影響を、構造的・運動学的観点から明らかにすることを目指して行っている。構造的観点からは、過冷却液体の中に形成されるボンド配向秩序と核形成される結晶の対称性との間に整合性があることが、核形成バリアを下げることがRusso博士との共同研究により剛体球液体において明らかとなった。これに加え、結晶の成長の素過程を支配する輸送のダイナミクスを決定する運動の素過程、運動単位を明らかにすることで、古典核形成理論を越えた結晶核形成の基礎を明らかにできるものと期待している。これまで、Ostwaldの段階成長則として、結晶側の変化に着目した研究はいくつか報告されているが、我々の研究により、結晶の古典核形成理論の常識に反し、結晶化の素過程が微視的レベルにおいては、連続的であり、液体中で自発的に形成されるボンド秩序の高い領域から、その位相整合性の連続的上昇によって結晶核の形成に至ることを初めて明らかにした。このことは核形成の素過程について新たな知見を与えるのみならず、結晶形の選択について全く新しい機構を与えてくれる。この新たな結晶形の選択の機構が、剛体球のみならず、ガウシアンコアモデルと呼ばれるソフトな球対称ポテンシャルで相互作用する系においても成り立つことを確認し、Soft Matter誌に報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
従来の常識を根本的に覆す、結晶核形成がボンド秩序の位相の連続的な増大によるという発見的な業績を上げることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、我々の発見は従来の結晶化の考え方を根本的に変えることが必要であることを示唆しており、ボンド秩序化を基本とした結晶化の理論を構築するとともに、水などのより複雑な系の結晶化にも普遍的に同じ機構が成り立つか否かを検証するとともに、ガラス化との関連などについても研究を行っていく予定である。
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Research Products
(3 results)