2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUAN Jingui 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 不均一触媒 / ナノ空間 |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体触媒として機能する多孔性配位高分子およびその複合を創製することである。この10数年で、多孔性配位高分子は、様々な金属イオンとテレフタル酸など市販の有機配位子や設計・合成された有機配位子などから合成されてきた。多様な構造が報告されているが、有機配位子の新たな設計よって、さらなる細孔表面機能化が可能となる。我々は、さらなる高機能な固体触媒を開発するために、シッフ塩基など触媒能を有する有機官能基の中から、アミド基に着目し、三座型有機配位子を設計・合成した。アミド基はクネーベナーゲル反応を触媒する有機官能基として知られている。合成したアミド含有三座型有機配位子(以下、L-NHCOと示す)と種々の金属を水熱合成条件下で反応させることにより単結晶を合成し、X線結晶構造解析による構造決定に成功した。金属イオンとして、特にY(III)とLa(III)を用いて得られたY(III)(L-NHCO)およびLa(III)(L-NHCO)の単結晶構造解析から興味深い結果が得られた。同じ三価金属イオンを用いているにも関わらず構造が大きく、結晶構造中のL-NHCO間距離が異なっていた。Y(III)(L-NHCO)場合は、約8オングストロームの距離を隔てて、L-NHCOが並行に並んでいるのに対し、Ho(III)(L-NHCO)の場合は、2つのL-NHCOが距離を隔てず重なりあい、それらが約6オングストロームの距離を隔てて並行にならんでいた。これらの細孔表面には大きな違いがある。2つのL-NHCO重なり合っているHo(III)(L-NHCO)ではL-NHCOだけでは作りえない有機官能基表面が存在する。これらの細孔表面の違いに着目し、アミド基が機能する触媒反応を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多孔性配位高分子を用いた固体触媒の創成を目的として研究を行っている。この約4か月間で、金属イオンの違いにより、これまでにない有機官能基の配列を単結晶構造解析によってあきらかにすることに成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
固体触媒として機能しうる多孔性配位高分子の合成にすでに成功している。今後は、これらを用いて触媒反応の進行を確認していく。同時に、新規な反応を触媒しうる新しい多孔性配位高分子の合成も行っていく。
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