2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01340
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北川 進 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUAN Jingui 京都大学, 物質-細胞統合システム拠点, 外国人特別研究員
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Keywords | 多孔性配位高分子 / 不均一触媒 / ナノ空間 |
Research Abstract |
本研究の目的は、固体触媒として機能する多孔性配位高分子およびその複合を創製することである。この10数年で、多孔性配位高分子は、様々な金属イオンとテレフタル酸など市販の有機配位子や設計・合成された有機配位子などから合成されてきた。多様な構造が報告されているが、有機配位子の新たな設計よって、さらなる細孔表面機能化が可能となる。我々は、さらなる高機能な固体触媒を開発するために、シッフ塩基など触媒能を有する有機官能基の中から、アミド基に着目し、三座型有機配位子を設計・合成した。アミド基はクネーベナーゲル反応などを触媒する有機塩基の官能基として知られている。前年度には、アミド基を有する2つの有機配位子を用いて、2種類の空間・細孔表面をもつ新規の多孔性配位高分子の合成に成功した。今年度は、これらの異なる多孔性配位高分子La(III)(L-NHCO)およびY(III)(L-NHCO)を用いて、三つの有機分子を用いた触媒反応活性を明らかにした。この3分子反応は有機塩基であるアミド結合によって触媒される反応である。アミド基が単独で細孔表面に存在するY(III)(L-NHCO)よりも2つのL-NHCOが距離を隔てず重なりあい、それらが約6オングストロームの距離を隔てて並行にならんでいるLa(III)(L-NHCO)の方が、触媒反応活性が高かった。これは、アミド結合が重なりあったことによる近接効果として説明することができる。したがって、今回多孔性配位高分子を用いて有機官能基の配列が触媒活性の向上に有効であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)