2013 Fiscal Year Annual Research Report
人工心臓内の血栓のリスク分析と同定のための血液モニタリングシステムの開発
Project/Area Number |
11F01360
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
竹居 昌宏 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SAPKOTA Achyut 千葉大学, 大学院工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 流体工学 / 混相流 / トモグラフィー / 可視化 / 人工臓器 / 血栓 |
Research Abstract |
人工心臓は1969年に米国で臨床試験が初めて行われて以来、大型な拍動式の第一世代から、接触回転式の第2世代を経て、現在は, 第3世代の小型非接触回転式が主流となっている。この第3世代の人工心臓は、日本の機械工学分野が得意とする非接触軸受け技術により、現在臨床応用段階であり、在宅治療ができるまでの技術に成長している。しかしながら、人工心臓の最大の問題点は血栓と溶血が生じやすい点にあり、在宅治療を受ける患者の命綱は、血栓と溶血を検知する赤血球モニタである。世界的な研究を含めても、現在まで人工心臓内の赤血球の可視化計測とモニタリングシステムを開発した例はひとつも存在しない。したがって、血栓溶血メカニズムの解明はなされていない。本研究課題の1年目のフェーズ1(23年度後期、24年度前期)においては、血液流動中のタンパク質、血流速度 および赤血球濃度による電気的特性の変化を検討した。フェーズ1の結果に基づいて2年目の, フェーズ2(24年度後期、25年度前期)では、プロセス・インピーダンス・スペクトロスコピー・トモグラフィー(PIST)法を用いた血液モニタリングシステムを開発した。今年度は同システムの適用性を検討するためにウシの血液を利用し体外模擬流路を用いて実験を行った。血流速度などの流体力学的なパラメータによる変化の反応を検討した。また、凝固課程(血栓形成過程)による総合的な変化に対して同システムの反応も検討した。 具体的には血流速度、主なタンパク質および赤血球濃度によって血液の電気的特性の総合的な変化を確認し、その変化と血栓形成過程の相互関係を調べた。また、4Hzから5MHzまでの周波数で血液のインピーダンスを計測し、解析した結果、血液の誘電容量を血栓を同定する主なパラーメータとして発見した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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