2012 Fiscal Year Annual Research Report
統合モデルによるインドネシア海域におけるCO2動態解析と予測
Project/Area Number |
11F01370
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
灘岡 和夫 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARTADIKARIA A.R. 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | CO_2吸収・放出 / インドネシア海域 / 高解像度モデル / 生物地球化学モデル |
Research Abstract |
生物多様性が特に高いホットスポットとして注目されるインドネシア海域は、二酸化炭素(CO_2)吸収/放出フラックスに関してはデータ空白地帯となっており、定量的評価が遅れている。そこで本研究では当海域で外洋域と沿岸域を共に評価できる形でのモデル群の開発と観測データの取得を試み、インドネシア海域のCO_2吸収/放出フラックスの季節変化・年々変化を明らかにし、かつその将来予測を行うことを目的としている。, 当該年度では、上記目的達成のために、研究分担者のKartadikariaが中心になって下記の活動を実施した。第一に、現地カウンターパートとの様々な議論・交渉を経て2013年2月に現地海洋観測調査に参加し、インドネシア・インド洋海域でCO_2データを取得した。ただし悪天候のために、予定していた観測を全て終えることは出来なかった。その後得られた採水試料の化学分析を実施した。現在、2013年までに取得された全ての観測データをまとめ、論文を執筆中である。一方、昨年度現地視察を行い今年度現地観測を予定していたSumbawa島は、カウンターパートであるNewmont社の経営方針が変わり、共同研究の実施が困難になったため、現地調査を実施できなかった。 第二に、インドネシア海域を対象とした高解像度物質循環(特にCO_2循環)モデルの整備を進めた。具体的には、前年度までの成果に基づいて炭酸系モジュールをさらに高度化するとともに、モデルの東工大所有のスパコンTsubame2.0への移植を完了した。現在、アルカリ度や全炭酸、pCO_2といった炭酸系パラメータがモデル上で精度良く計算できるか再現実験を行い確認作業中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
インドネシアでの調査航海に関するスケジュールが現地カウンターパート側の事情で突然キャンセルや延期になったり、参加した航海が悪天候の為途中で中止になったりと、思ったように現地観測データが取得出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年5月に予定されているEWIN2013という調査航海に参加し現地データ取得を実施することによって現地データ取得を完了させる予定である。モデル解析に関しては、低解像度で長期間(数10年間)モデルを回し、CO_2動態を確認する予定である。最近、中国、米国、フランス等多くの国の研究機関がインドネシア海域で同様の観測を開始しようとしており、我々としては現在までに得られたデータを取りまとめいち早くまとめることで、国際的に評価の高い科学誌に成果を報告する予定である。
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