2012 Fiscal Year Annual Research Report
デキストラナーゼに見出された新規な現象の分子解析とその応用
Project/Area Number |
11F01397
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
木村 淳夫 北海道大学, 大学院・農学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WEERANUCH Lang 北海道大学, 大学院・農学研究院, 外国人特別研究員
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Keywords | デキストラナーゼ / 環状化 |
Research Abstract |
デキストラナーゼ(DEXと略)の新規な立体構造を使い、(1)~(3)の3現象の調査が目的である。(1)触媒残基:X線構造解析やケミカル・レスキュー反応を用いて触媒残基の候補であるD189・D340・E412の役割を調べる。(2)連続グライコシンターゼ反応(SGRと略):触媒アミノ酸を他の残基に置換しSGRを調べ、反応機構を明らかにする。生成物の構造を調べ、物質素材としての応用を目指す。(3)環状化反応を行うDEX(C-DEXと略):C-DEXは通常のDEXにない長い挿入アミノ酸配列(LISと略)を有するのでLISの機能を調べる。環状糖生産への関連を調べる。計画は順調に進行しており、本年度の成果を以下に述べる。 (1)触媒残基:1-1)DEXの結晶調製とx線構造解析:i)x線構造解析:昨年度に調製したD189・D340・E412の変異体の結晶に基質や阻害剤をソーキングし構造解析を行った。基質にはイソマルトオリゴ糖を用い、阻害剤には自殺基質を用いた。その結果、D340・E412が触媒残基と推定された。2-1)ケミカル・レスキュー反応:iii)基質合成:昨年度に有機合成した基質(α-isomaltotetraosyl fluoride)を触媒残基(D340とE412)の置換酵素に、アザイドイオンやギ酸イオン存在下で反応させた。酵素活性が認められ、生成物のアノマー構造から機能が判明した。(3)環状化反応を行うDEX:3-1)環状糖の生産:C-DEXだけが持つ長いLISが環状化反応に必要な構造因子であることが明らかになったので、変異実験を行い生産量が増した酵素が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
X線構造解析とケミカル・レスキュー反応を駆使し、触媒残基の機能を決定できた。触媒残基をこれら2つの方法で決定する例は多くなく、優れていると判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の推進方策: 計画は順調に進行しており、次年度も計画に基づいた研究方針で推進させる。 研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点: ございません。
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