2013 Fiscal Year Annual Research Report
二枚貝の配偶子成熟における性ステロイド、セロトニン、Ca2+の作用機構
Project/Area Number |
11F01404
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
尾定 誠 東北大学, 農学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ALAVI S 東北大学, 農学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 二枚貝類 / 精子 / セロトニン / カルシウムイオン / ナトリウムイオン / OMAF / 先体 |
Research Abstract |
セロトニンによって誘導される精子運動の開始には、電位依存型のKチャンネルやCaチャンネルを介した精子からの細胞外K流出と細胞内Ca流入が大きく関与することが明らかになった。同時に、プロトンチャンネルを介した細胞内Hプロトン排出によるpHの上昇もともなうことが明らかになった。さらに、セロトニンによって引き金を引かれた精子運動は、Caチャンネルを介した細胞内Ca流入の増加と続く減少と増加を繰り返し、Ca/カルモデュリン依存性の精子鞭毛の規則的なビートによって活性化されることが示唆された。 二枚貝類の精子運動活性化のメカニズムの概要を整理すると、産卵刺激を受けた個体で中枢神経からセロトニンが精巣内に放出され、精子鞭毛上に存在するセロトニン受容体によって精子にセロトニンシグナルが伝達される。T、L-タイプのCaチャンネルを介した細胞内へのCaの流入が起こり細胞内Ca濃度が上昇し、精子運動が活性化される。外部環境への精子放出と同時に、K濃度の低い外部環境へのKチャンネルを介したK放出とプロトンチャンネルを介したHプロトン放出によるpH上昇が起こり、Na/Ca交換チャンネルによる細胞内Ca濃度の調節によって鞭毛のビートに不可欠なCaの波状的に繰り返す増減形成によって、二枚貝の精子運動が維持されることが示唆された。 二枚貝の精子運動の引き金物質であるセロトニンによる精子運動活性化のメカニズムが不明であったが、今回の研究によって精子を取り巻くイオン、pHを中心にそれらの関連を明らかにすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(2 results)