2012 Fiscal Year Annual Research Report
ギニアにおけるヒト-チンパンジー関係の比較民族誌と生態学
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11F01712
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山越 言 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEBLAN V.J. 京都大学, 大学院・アジア・アフリカ地域研究研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | GIS / 民族誌 / 野生動物 / アブラヤシ / 自然保護区 / 西アフリカ |
Research Abstract |
動物相の多様性が際立つ熱帯の発展途上国地域では、人口の増加と経済活動の活発化によって、人間活動を排除した自然保護区面積の増加は困難となり、人間活動と動物保全を同一の環境下で達成することが求められている。西アフリカ・ギニア共和国は、保護区行政が未整備にもかかわらず、豊富な動物相が存在することが知られ、人と動物の共存関係を探るには恰好の調査地域である。本研究課題では、環境面で対称的なギニアの西部海岸域と東南部森林域におけるチンパンジーの生息状況を比較することを目的とする。24年度は、昨年度に大きく進展したフランスの博物館、古文書館における文献調査を継続した。24年度は上記調査の成果を中心に、京都大学理学研究科、国立民族学博物館、フランス自然史博物館等においてセミナー発表を行い、関係研究者との間で研究の方向性に関する議論を深めた。また、24年度後半からは、京都大学の関係者および他大学の研究者を含めたメンバーで「人間と動物の境界セミナー」を発足させ、現在まで継続的に月例の研究会を主催している。ギニア西部海岸域におけるフィールド調査および文献による歴史的分析を総合した論考が仏文誌Cahiers d' Etudes Alricainesに採択された。前年度より継続しているギニア西部と熱帯域のGISを用いた環境比較分析により、植生分布、農業形態、及び動物相に関する違いが予備的にではあるが明確化されてきた
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に挙げた項目について、ほぼ満遍なく予想した成果を上げることができた。フランスでの文献収集に基づいた成果については、すでに複数の草稿が完成し、関係国際誌に投稿済みである。日本国内の関係研究者と活発な交流を行っており、研究成果の広報についても極めて順調であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度となるため、未分析のデータについては滞りなく解析を終え、すでに公表済み、執筆済みの論考に加え、新たに複数の論文として完成させ、関係国際誌に投稿する予定である。また、25年度5月の日本アフリカ学会において研究発表が予定されている。
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