2011 Fiscal Year Annual Research Report
希ガスおよび窒素と炭素の安定同位体を用いた陸上および海底の火山・熱水系の研究
Project/Area Number |
11F01713
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 有司 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROULLEAU Emilie 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 沈み込み帯 / 火山・地熱系 / 希ガス濃度 / ヘリウム同位体 / 桜島火山 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国近海の海底熱水系および陸上の火山周辺の地熱地帯において、熱水試料を採取して、その希ガス濃度およびヘリウム同位体組成、また二酸化炭素および窒素濃度とそれらの同位体組成を測定し、沈み込み帯の海底および陸上火山から放出される揮発性成分の起源と時間進化について議論することである。本年度は、すでに提出した研究実施計画に従って、火山ガスおよび熱水試料中の希ガス濃度とヘリウム同位体比を測定するための基礎的技術を学んだ。その結果、本研究所の教員あるいは技術職員の補助のもとに、十分な分析精度で測定できるようになった。特にヘリウム同位体比については、フェムトモル・レベルのヘリウム-3を高精度に分析する手法を学んだ。また、野外活動としては鹿児島県の桜島火山周囲の温泉、鉱泉、海水試料を採取し、溶存する気体中のヘリウム同位体比と化学組成を分析した。これらの結果に基づき、桜島火山周囲の地熱系の地球化学的モデルを構築した。この結果については、2012年6月25日-29日にカナダ・モントリオールにて開催されるゴールドシュミット会議において発表される予定であり、そのアブストラクトは学会の実行委員会により、すでに受理されている。さらに2012年3月26日-30日には、台湾国立大学地質系・楊教授との共同研究として、台湾北部の火山・温泉地帯において、19の温泉ガスおよび鉱泉水試料を採取した。これらの試料の希ガス濃度、ヘリウム同位体比、化学組成については、2012年度に分析される予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
採取した試料中の希ガス濃度、ヘリウム同位体、化学組成を分析する技術を習得できた。また、鹿児島県の桜島火山周囲の温泉・地熱系で試料を採取し、ヘリウム同位体比などを測定した。
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Strategy for Future Research Activity |
このまま研究課題を進めることで、問題はないと判断する。
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