2012 Fiscal Year Annual Research Report
希ガスおよび窒素と炭素の安定同位体を用いた陸上および海底の火山・熱水系の研究
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11F01713
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐野 有司 東京大学, 大気海洋研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROULLEAU Emilie 東京大学, 大気海洋研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2011 – 2013-03-31
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Keywords | 沈み込み帯 / 海底火山・地熱系 / 希ガス濃度 / ヘリウム同位体 / 桜島火山 / 鹿児島湾 |
Research Abstract |
本研究の目的は、我が国近海の海底熱水系および陸上の火山周辺の温泉・地熱地帯において、温泉・鉱泉・熱水試料を採取して、その希ガス濃度およびヘリウム同位体組成、また二酸化炭素および窒素濃度とそれらの同位体組成を測定し、沈み込み帯の海底および陸上火山から放出される揮発性成分の起源と時間進化について議論することである。本年度は、すでに提出した研究実施計画に従って、鹿児島県の桜島火山周囲の温泉、鉱泉、海水試料を採取し、溶存する気体中のヘリウム同位体比と化学組成を分析した。また、学術研究船・淡青丸の研究航海に参加して、鹿児島湾内奥部に存在する海底熱水系-若神子カルデラにて熱水試料と堆積物間隙水を採取した。そして、ヘリウム同位体比と化学組成を分析した。これらの結果に基づき、桜島火山周囲の地熱系の地球化学的モデルを構築した。この結果については、Journal of Volcanology and Geothermal Research誌に投稿し、受理の段階にある。さらに2013年3月17日-22日には、台湾国立大学地質系・楊教授との共同研究として、台湾北部の火山・温泉地帯において、15の火山ガス、温泉ガスおよび鉱泉水試料を採取した。これは昨年の観測の継続である。試料の希ガス濃度、ヘリウム同位体比、化学組成については、2013年4月に分析された。今後解析を進めるとともに、2013年7月に鹿児島市で開催される国際火山学および地球内部化学会(IAVCEI)で発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
桜島火山周囲の温泉・鉱泉試料を採取し、ヘリウム同位体比などを測定した。学術研究船・淡青丸により、鹿児島湾奥部にある海底熱水系で試料を採取し、分析した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、得られたデータをまとめて、学会発表や論文としてまとめる。特に問題はない。
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Research Products
(2 results)