2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11F01752
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SODERSTROM Par-Anders 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 希土類同位体 / 中性子過剰核 / 核構造 / 崩壊分光 / 集団性 / r-過程 / γ線検出 |
Research Abstract |
本研究では、理化学研究所の加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」で中性子過剰な希土類同位体を生成し、その特異な核構造および集団性をベータ遅発γ線分光やアイソマーγ線分光で調べることにある。 (1)昨年度末から本年度初めにかけて本実験に向けた準備およびテスト実験を行い、欧州から輸入されたクラスター型ゲルマニウム検出器の全システムチェックおよびRIビーム関連データとの相関付けのチェックなどを行い、RIビーム、ベータ線およびベータ遅発γ線との同時計測に成功した。テスト実験では、既知のアイソマーやベータ崩壊核をRIビームとして生成し、シリコン半導体検出器に止め、シリコンによるベータ線検出、ゲルマニウム検出器によるγ線検出を行った。アイソマーγ線およびベータ遅発γ線のエネルギーおよび崩壊寿命が過去の文献値と一致し、すべてのシステムが予想通り動作していることを確認した。 (2)本年度の春と秋の本実験を成功させ、大量の崩壊分光データを取得した。 特に秋の実験では、質量数110から130の中性子過剰な領域のベータ遅発γ線の観測に成功し、集団性に関わる興味深いデータを取得した。Ruの励起準位の解析を進めており、投稿論文としてまとめる予定である。 (3)実験申請書の提出と希土類元素データの準備 中性子過剰な希土類元素の崩壊分光に関する実験申請書をRIBF国際実験課題採択委員会に提出し、審査の結果、提出課題は重要な課題としてランクされ、認められた。来年度に本実験を行う予定であり、(2)の解析とともに実験準備を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本格実験のための主要要素の性能確認と整備が計画通りに進行し、本年度は本格実験をスタートさせた。希土類元素以外の中性子過剰核に関するデータ解析を開始し論文投稿を目指している。また平成25年度には中性子過剰な希土類元素のデータ取得が行われる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
RIBFでの崩壊分光は非常に効率的で、一度の実験で複数の論文を生産することができる。彼の申請した希土類元素の実験は平成25年度に行う予定であるが、これをまたずに取得されたデータを解析し、論文投稿できることも可能となった。
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