2013 Fiscal Year Annual Research Report
チャンネル代替法のための人工膜貫通キャリアの開発と分析
Project/Area Number |
11F01760
|
Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
JONATHAN P.HILL 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA研究者
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WIM GUSTAAF Van Rossom 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
|
Keywords | アニオン / 有機合成 / イオン輸送分子 / 膜 / イオン認識 / 選択性 |
Research Abstract |
嚢胞性線維症(cystic fibrosis)などの致死的遺伝病の主原因は、細胞などを通しての塩素イオンや炭酸水素イオンの透過の異常である。具体的には、cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR)型の塩素イオンチャネルの遺伝子変異に起因している。さらに、深刻なことに、この異常挙動に関連した水素イオンと塩素イオンの共輸送の欠損はアポトーシスの引き金にもなる。 このような問題を遺伝子学的にではなく、化学的に解決する研究を本テーマでは行う。つまり、様々な病理に関与する細胞膜を通してのアニオン輸送を人為的にコントロールするような合成アニオン輸送分子を開発することが本研究の主目的である。 そのため、本研究では、何種類かのtriaryldipyrrole型オリゴマーを、新たに開発された2,5-diarylpyrrole誘導体の合成手法を応用することによって合成した。また、この合成分子に対してアニオンに対する認識機能を紫外可視吸収スペクトルや核磁気共鳴スペクトルによって検討した。本年度は、有機合成において大きな進歩があり論文発表に至った。具体的には、homopropargyl sulfonamidesを段階的に脱保護しつつ5-endo-dig環化反応を行うことによって、非対称修飾型の2,5-diarylpyrroles分子の合成法を確立した。 また得られた化合物の誘導体分子を用いて、イオン認識に関する研究も行っており論文を作成しているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
キーとなる分子の合成にも成功し、イオン認識の研究も順調に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
JSPSフェローは交流のある研究室に就職し、研究交流が続いている。共同研究として本研究を継続している。
|