2012 Fiscal Year Annual Research Report
環境ストレスに応答して植物の成長を制御する転写因子の単離と解析
Project/Area Number |
11F01761
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 慶子 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RYMEN Bart 独立行政法人理化学研究所, 細胞機能研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 成長制御 / 転写因子 / 細胞増殖 / 細胞分化 / シロイヌナズナ |
Research Abstract |
Rymen氏は当初の計画通り着実に研究を進行させ、成果をあげている。着任以来、産総研高木優博士、光田展隆博士との共同研究のもとシロイヌナズナのキメラリプレッサー系統(転写抑制領域を付加した機能変換型転写因子を過剰発現した形質転換体)を用いて、通常生育条件下及び軽度の乾燥条件下で成長異常をみせる変異体スクリーニングを行い、これまでに15個の新規成長制御因子(GROWTH REGULATING TRANSCRIPTION FACOTR, GRTF)を単離した。これらの変異体の多くは通常生育条件下でも非常に興味深い表現型を示すが、なかでも解析の先行しているGRTF4は細胞の増殖、分化を制御することが分かり始めている。GRTF10についても細胞の分化、脱分化の制御に関連することを示唆するデータが得られており、両者については、過剰発現体、変異体系統の作出、解析を優先させている。これらの因子の作用機構を分子レベルで明らかにするためには、直接転写制御を受ける下流遺伝子を同定、解析する必要があるため、ChIP-seqに必要なGRTF-GFP植物体やRNA-seqに必要なGRTF-GR植物体の作出も進めている。今後さらにこれらの因子の環境ストレス応答における機能についても解析を進める。また受入研究者はRymen氏と総説を執筆し、Current Opinion in Plant Biology誌に発表した。この総説では環境条件の劣悪化に伴って植物の器官成長が減速するメカニズムについて、最新の分子レベル、細胞レベルでの知見をまとめ、今後の展望について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
既に有力な制御因子を同定しており、残りの任期内にその機能解析を進めることが可能であると予想されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度中には全ての実験材料がそろう予定であり、任期中に必要な実験を全て終了出来るものと考えている。
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