2011 Fiscal Year Annual Research Report
地球規模の変動が影響する集水地域の生態学のサステイナビリティと修復計画
Project/Area Number |
11F01803
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WOLDIE DanielWerede 東京大学, サステイナビリティ学連携研究機構, 外国人特別研究員
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Keywords | サステイナビリティ / 集水域 / 土砂災害 / 生態系 / 貯水池 |
Research Abstract |
気候変動が集水域生態のサステイナビリティと改善対策に与える影響 本研究の主な目的は人為的変化(道路建設、都市化、土地利用変化など)及び気候変動が、堆積物動態など集水域の水文学的応答にどのような影響を与えるかを調べる事である。同時に、土地利用と気候変動に連動した堆積物関連の災害についても調べる。集水域の応答が人間及び生態系にとって有害となる閾値を得るための手法を開発する。 本プロジェクトは試験地である盆地での水文過程を調べることを目的としている。水文と堆積物の過程に関するデータを収集し、モデルを実施し、現在進行中の地球規模の変動の視点からその応答を調べた。さらに、データギャップ(空白部分)を埋めるため、降雨量強度と地表の流水レジームの現地調査を行った。 本研究ではアジアの山岳地域に着目しており、そこでは道路建設が洪水と土砂災害などの水文地質学的災害を引き起こしている。本研究は集水域の水文サイクルのサステイナビリティと生態系機能を維持することに貢献すると考えられる。 本年の主な活動は以下の通り。 1.プロジェクトの目的に即するよう効果的に、時宜を得た方法で研究を行うための計画詳細を最終決定した。 2.情報の欠落箇所を見極め、2次情報と新たな科学的知見を得るため本研究と関連する既存研究をレビューした。 3.スリランカを訪れ調査候補地を選定し、様々なステークホルダーと議論を行った。4つの異なった州で、古代と現代の貯水システムを調査し、堆積物に関係した問題を調べた。加えて、北部の州にあるマハウェリ流域のバルク水配分戦略、灌漑インフラの復旧、世界重要農業遺産システム(GIAHS)の進展を観察した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり、研究企画分野における以前の研究のまとめやコンピューターの購入、リソースの分析等ほとんどの計画を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は貯水池の物理学的な特徴、地表の流水パラメーターの現地調査、特に不飽和地帯の土壌水文プロパティと士壌強度の特徴をもとに水文モデルを較正する計画である。土壌サンプル収集のため、現地調査を実施し、さらにパラメーター測定のために現場テストを行う。また、過去の特定の水文イベントのためのモデル測定も較正する。次に、過去20年に起こった自然的・人為的両方の地球変動をGIS上に捉え、較正したモデルを利用しモデル化を行う。加えて、土壌パラメーターの現地調査、水文モデル測定と検証、貯水池変動のデータベースの構築、水文レジームに対する自然・人為的変動による水文変化のモデリングと分析を行う。
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