2011 Fiscal Year Annual Research Report
古花粉学による日本の中~後期中生代の古植生及び環境についての研究
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11F01814
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
西田 治文 中央大学, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEGRAND Julien 中央大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | アジア / 古花粉学 / 古環境 / 古生態 / 古地理 / 生層序 / 中生代 / 被子植物 |
Research Abstract |
主要な研究はジュリアン・ルグラン特別研究員が行った。ルグラン研究員は十分な日本語の理解力があるので、来日直後から研究設備と必要な実験の準備を行うとともに、平成24年度以降に本格実施する現地採集の予備調査と、予備実験を行った。平成23年12月には福井県北谷の現地予備調査を行うとともに、現地での調査協力を依頼する福井県立恐竜博物館において、調査計画などについて打合せを行った。北谷ではあいにくの降雪で露頭に接近することができなかったが、必要な現地状況の確認ができた。恐竜博物館ではちょうど来日中であったチリ南極研究所のMarcelo Leppe氏と会談する機会があり、白亜紀から新生代にかけての世界的な植生変遷史と植物の進化について情報交換した。この際、千葉県銚子からは南米パタゴニアに現生するナンキョクブナに似た化石がかつて報告されていたことが話題になった。このため、平成24年3月には研究代表者が行っている南米パタゴニアの古植生史研究による銚子層群の化石群調査に研究協力者として参加し、花粉化石資料採集を行った。この際の調査情報は本研究計画における予備情報としても利用することができたので、これに基づいて平成24年度の銚子における調査計画を立てることとした。なお、研究期間を通して、大量の画像データ処理を行うため、適した画像ソフトを搭載し、画像処理に優れたPhotoshopをインストールしたマッキントッシュ社のコンピュータを購入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究分担者ルグランが平成23年11月31日に来日したため、研究準備に初期の時間を費やしたため、銚子での予備資料入手と解析を本研究計画通りに遂行はできなかった。しかし、福井県北谷の下見調査と福井県立恐竜博物館との打合せを行い、研究計画で申請した機器の購入も予定通り進展し、今後2カ年の研究体制が整った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究課題実施のための準備は完了したので、当初の計画どおり研究を遂行する。平成24年8月に研究代表者の所属研究機関で開催される第13回国際花粉学・第9回国際古植物学会議XIII IPC/IX IOPC)における研究発表のための千葉県銚子の予備調査を平成24年5月には行い、学会の参加登録と発表申込みも行う。今後2カ年で現地採集調査と資料解析を中心に研究成果を蓄積し、論文発表をめざす。
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