2012 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・光・蛍光分布を同時検出可能なバイオイメージセンサの実現と応用
Project/Area Number |
11J00019
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
中澤 寛一 豊橋技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオセンサ / イメージセンサ / 蛍光 / マルチモーダルセンサ / pH |
Research Abstract |
近年,トランジスタの集積度が18~24ヵ月で倍増するという"ムーアの法則"が限界に差しかかっている.そこで,LSI(Large Scale Integration)にセンサなどを組み入れて多機能化し,付加価値を与える"More than Moore"技術の開発が注目されている.また,医療,環境,食品などの分野では,生化学現象を検出するバイオセンサが注目されている.こういった分野では,様々な側面から現象を解析することが重要であり,複数の現象を検出できる多機能なセンサの開発が注目されつつある.本研究は,LSI技術とバイオ技術を融合することで,これまでにない価値を有する高機能,多機能で独創的なセンサシステムを提案するものである. これまでの研究によって,化学現象を計測するうえで重要な情報の一つであるpH(水素イオン濃度の指標)および光強度を2次元でリアルタイムに画像化するイメージセンサを実現した.本研究では,これらの機能に加えて蛍光(特定波長の光強度)を検出すること機能を付加したバイオイメージセンサを提案・実現する.蛍光反応は,取り扱いが容易なうえ情報量が多く,生化学などの分野において重要な計測技術である. 一般的に蛍光の検出には,蛍光標識および蛍光スキャナを使用する.しかし,蛍光スキャナには光学フィルタや光源,バンドパスフィルタが必要となるため装置が大型化してしまう.そのため,蛍光検出とpH検出を可能にするイメージセンサの実現には,光学フィルタや顕微鏡などの光学系が不要なセンサ構造を実現する必要がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初予定していた,イオン・光・蛍光マルチモーダルイメージセンサのプロセス開発およびセンサ試作・基礎特性の評価を行うことができた.また,蛍光検出の精度および限界を向上させるため,新たなセンサ構造の提案およびプロセス開発を行った.
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Strategy for Future Research Activity |
イオン・光・蛍光マルチモーダルイメージセンサの基礎評価および応用を検討する過程で;感度および画素バラつきが不十分であることが判明した.これらの問題点は,プロセスおよび回路設計により改善することが見込まれる.今後は,実際に細胞観察などの基礎研究を並行して行い,改善点を見つけていく必要がある.
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