2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J00103
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石田 裕昭 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | トポロジー / トーリック多様体 / トーリックトポロジー |
Research Abstract |
今年度は,研究課題である「トーリックトポロジーとシンプレクティック幾何学」のうち,トーリックトポロジーを中心に研究し,得られた成果をいくつかの研究集会で発表し,また纏めたものを学術雑誌に投稿した. 得られた成果のうちの1つとして,Y.FukukawaとM.Masudaとの共同研究において,位相的トーリック多様体(topological toric manifold)の概念を導入し,その理論を展開した.この研究は,トーリックトポロジーにおける研究対象を確立したもので,この分野の礎となる基本的な研究である. また,M.Masudaとの共同研究において,V.BuchstaberとT.Panovによって2002年に提出されていた「トーリック多様体でないような擬トーリック多様体であって,トーラス作用で不変な複素構造を持つものを探せ」という問題を否定的に解決した.その手法として,コンパクトかつ連結な複素n次元多様体であって,奇数次のコホモロジーが消滅していてかつ複素解析的自己同型群がn次元コンパクトトーラスを含むようなもののTodd種数が必ず1であることを示した. M.Masudaとの共同研究の後に,Y.Karshonとの共同研究において,前述したM.Masudaとの共同研究の結果をさらに精密化し,「最大次元のトーラス作用を持つ複素多様体はトーリック多様体に限る」という決定的な結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
交付申請書に記載した「本年度の研究実施計画」と照らし合わせて,現在進行中であるが,完遂したとは言い難いため,やや遅れていると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題の今後の推進方策について,平成23年度は,トーリックトポロジーを中心に研究を行ったので,引き続き,シンプレクティック幾何学,特にトーリックトポロジーの観点から見た研究を推し進める.
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