2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J00103
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
石田 裕昭 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 複素多様体 / トーリック多様体 / トーリックトポロジー |
Research Abstract |
今年度は,研究課題「トーリックトポロジーとシンプレクティック幾何学」に関連して得られた成果をいくつかの研究集会で発表し,また纏めたものを学術雑誌に投稿した. 前年度に,トロント大学のY.Karshon教授との共同研究において「コンパクト複素n次元多様体が不動点を持つn次元トーラス作用を持てば,トーリック多様体に限る」という結果を得ていた(これはBuchstaber-Panovの提出した問題を否定的に解決するものであった).本年度は,「不動点を持つ」という条件を大幅に緩めた"maximal torus action"の概念を導入し,maximal torus actionを持つコンパクト複素多様体の完全な分類結果を単独で得た.この結果は,(コンパクト非特異の範疇であるが)トーリック幾何の基本定理の拡張であり,Panov-Ustinovskyによるmoment-angle manifold上の複素構造の構成,Bosio-Meerssemannによるある種の多様体(LVM manifold,LVMV manifoldなどと呼ばれている)上の複素構造の構成を包括したものである.また同時に,moment-angle manifold上のトーラス不変な複素構造は,Panov-Ustinovskyらの構成によって得られる複素構造と一致すること,及びいつ双正則になるかを判定する必要十分条件を与えた.これらの結果を,論文の形に纏め,ある学術雑誌に投稿した.
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