2011 Fiscal Year Annual Research Report
ウェーブレット縮小推定に基づいたソフトウェア信頼性評価に関する研究
Project/Area Number |
11J00116
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
肖 霄 広島大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ソフトウェア信頼性 / ノンパラメトリック推定 / ウェーブレット / データ変換 |
Research Abstract |
研究代表者によって従来までに提案されていたソフトウェア信頼性モデルの推定法WSEは,ウェーブレット系としてハールウェーブレット系を,データ変換法としてAnscombe変換とFisz変換を使用したものであった.本年度は「ウェーブレット縮小推定に基づいたソフトウェア信頼性評価に関する研究」を進める目的で,以下のとおり実施した. 1.ハールウェーブレット系をベースにした研究 1.1新たに3種類のデータ変換法,Bartlett変換,Bartlett変換の拡張変換,及びFreeman変換を導入し,Anscombe変換とFisz変換を含めた計5種類のデータ変換がWSEの推定精度に対してどのような影響を与えるのかについて調べた.これらは最も基本的なデータ変換法であるため,現時点では,他のデータ変換法を調べる必要はないと考える. 1.2ベイズ推定の枠組みでウェーブレット解析の利用を実現した.ハールウェーブレットはマルチスケール解析において最も基本的な道具であるため,ベイズ推定と有機的に組み合わせたソフトウェア信頼性モデルのパラメータ推定手法を提案した. 2.ドーブシウェーブレット系をベースにした研究 ハールウェーブレット系の一般形として知られるドーブシウェーブレット系に着目し,既存のモデル推定法WSEを拡張した.ハールウェーブレット系を用いた手法では離散データしか解析できなかったが,ドーブシウェーブレットを導入することにより,連続データを解析することが出来るようになり,ソフトウェアフォールト検出時間データからソフトウェア信頼性評価を行うことが可能となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アルゴリズム開発と数値実験については,当初の計画よりもさらに広い枠組みに対応できるものになっており,当初予定していた以上に進展していると考える.ただし,アルゴリズムの補完が必要とされる部分はいくつかあるので,次年度の研究計画の目標であるツール開発に向けて,さらなる準備を整える必要があると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は交付申請書に記載した「研究の目的」通りに進めていく予定である.また,他の研究者による最新の学術的研究成果を吸収しながら課題を完成形に近づけるつもりなので,当初の研究計画にこだわらずに,研究内容や方向性を微調整する場合もあると考えられる.
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