2012 Fiscal Year Annual Research Report
酵母人工染色体導入マウスを用いたアリル特異的エピジェネティック・マークの探索
Project/Area Number |
11J00587
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
岡村 永一 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | ゲノム刷り込み / Igf2-H19 / YAC(酵母人工染色体) / エピジェネティクス / DNAメチル化 |
Research Abstract |
代表的なゲノム刷り込み遺伝子座である、マウスIgf2/H19遺伝子座内のH19 ICR (Imprintitng Control Region)領域は、父親由来アリル特異的なDNAメチル化修飾(刷り込みメチル化)を受ける。一般に、刷り込みメチル化は、生殖細胞の形成過程で確立すると考えられてきた。ところが、当研究室の先行研究において、刷り込みメチル化は受精後にも確立し得ることが明らかになった。本研究は、この「受精後刷り込みメチル化確立機構」の解明を目指し、各対立遺伝子が由来する親の性別を区別するための「印」や、H19 ICRメチル化状態への変換に関わるDNA配列情報を探索することを目的とした。 本年度は、前年度に作製した、各種変異型H19 ICR断片を保持する、複数のYAC(酵母人工染色体)-YgM(トランスジェニックマウス)系統を対象とし、主にDNAメチル化解析を実施した。 Southern blot法、及び、bisulfite sequencing法による解析の結果、(1)H19 ICR断片は、連結したヘテロなDNA断片(λDNA)に対し、受精後刷り込みメチル化を引き起こす活性を保持すること、(2)父親由来アリル特異的メチル化導入活性は、2分割したH19 ICR断片(1.7kb&1.2kb)の内、1.7kbの断片にのみ存在すること、(3)母親由来アリル特異的メチル化からの保護活性には、1.7kbと1,2kbの両領域が必要であることが明らかになった。 将来的に、本研究で見出された活性の責任DNA配列や責任タンパク質を同定することにより、H19 ICRの刷り込みメチル化機構を解明する上で非常に有益な情報を得られることが期待される。
|
Research Products
(2 results)