2011 Fiscal Year Annual Research Report
格子中冷却原子系における量子凝縮相の動的性質と多体効
Project/Area Number |
11J00705
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
野田 数人 京都大学, 理学研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 冷却原子系 / ボースフェルミ混合系 / 多体効果 |
Research Abstract |
本年度はスピンレスフェルミ粒子と一成分ボース粒子の混合系における多体効果について解析を行った。得られた結果として次のものがあげられる。 1)フェルミ粒子系に密度波秩序を仮定しない解析を行い、ボソンの超流動成分が存在する場合には多体効果が発現することを明らかにした。この多体効果はフェルミ粒子の粒子数によらず発現することを明らかにし、フェルミ粒子の一粒子励起スペクトルにおいてフェルミ面近傍のピークとして現れることを明らかにした。empty band極限と呼ばれるフィリングが0の領域や、filled band極限と呼ばれるフィリングが1の領域においても発現している。このempty band極限は実験的に実現しており、これらの効果の観測が可能であることを指摘した。 2)フェルミ粒子系に密度波秩序を仮定した解析を行った。特に先行研究で得られていた超固体相に注目し、この相においてフェルミ粒子一粒子励起スペクトルにみられていたピーク構造は多体効果が起源であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画のボースフェルミ混合系における量子凝縮相の性質に関する研究では、9.研究実績の概要であげたような成果が上がっているため。特に、ボースフェルミ混合系における特徴的な多体効果について詳細に議論できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得た知見を踏まえ、ボースフェルミ混合系の研究を推進する。特に、一成分フェルミ粒子と一成分ボース粒子の系における有限温度の性質や、二成分フェルミ粒子と一成分ボース粒子の系についても解析を行い、混合系における特徴的な多体効果を明らかにする予定である。
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