2013 Fiscal Year Annual Research Report
平面内細胞極性の機構解明と再構成系の樹立―マウス卵管を用いて―
Project/Area Number |
11J00824
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石 東博 京都大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 平面内細胞極性 / マウス / 卵管 |
Research Abstract |
マウス卵管での卵輸送においてPCP(平面内細胞極性)因子が、絨毛運動が示す細胞極性を制御する可能性を見いだした。そこで卵管上皮細胞におけるPCP因子の機能解析を通して、今まで明らかにされてこなかった哺乳類動物の平面内細胞極性の形成機構について明らかにすることを本研究の目的とした。 昨年度までの結果では、卵管上皮の初代培養細胞では繊毛は形成されるが、PCPを司る因子の細胞内の偏ったタンパク質局在は見られず、PCP形成が行われていない。今年度も引き続き、細胞外基質や物理的刺激によってPCPが形成される培養条件を探ったが、そのような条件はまだ見つかっておらず、今後更に検討を要する。 卵管上皮での極性形成においてPCP因子が役割を果たす機構について研究を進めた。PCP因子を欠損したマウス卵管上皮では、細胞形態が乱れていた。細胞形態を制御する仕組みとして、モータータンパク質などの関与を解析したが、有意な結果は得られなかった。一方、PCP因子を欠損したES細胞を用いたモザイク解析などにより、極性形成におけるPCP因子が果たす細胞自律的な役割が明らかになった。これらの結果は細胞形態制御の新たな機構として、PCP因子が一次的にかかわることを示唆する重要な結果である。 時期特異的にPCP因子を欠損させることを試みた。恒常的に活性誘導可能なCre-ERtmを発現するマウスに4-ヒドロキシタモキシフェンを投与することで、PCP因子の欠損誘導を行ったが、組み換え効率が悪く、欠損細胞の表現型を調べることができなかった。また、昨年度に作出した卵管特異的にCreを発現するトランスジェニックマウスを用いて卵管における組み換え効率を調べたが、いずれも卵管上皮でPCP因子の欠損実験を行うに足る組み換え効率は得られなかった。更に別のプロモーターを用いた実験を計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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