2011 Fiscal Year Annual Research Report
超音速クラスタービームを用いた高温プラズマ中における密度揺動励起に関する研究
Project/Area Number |
11J01219
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Research Institution | The Graduate University for Advanced Studies |
Principal Investigator |
村上 昭義 総合研究大学院大学, 物理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 燃料供給手法 / 超音速ガス流 / ラバールノズル / クラスター |
Research Abstract |
本研究では、核融合プラズマへの新たな燃料供給手法である超音速ガスパフ/超音速クラスタービーム入射法の特性を高温プラズマに適用し評価を行い、この手法の利点を生かしてプラズマ中に密度揺動を外部励起することで、その揺動が乱流へ及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。 平成23年度に実施した研究では、超音速ガスパフ/超音速クラスタービームを大型ヘリカル装置(LHD)に適用し、粒子供給特性を調べる実験を行った。超音速ガスパフとは、高圧の燃料水素ガスを、ラバールノズルを介して噴出することで、収束した超音速ガス流をプラズマへ供給するものである。実験では、LHDに設置されている詳細な分布計測を用いて、プラズマ密度の径方向分布変化を解析し、超音速ガスパフの供給効率は、入射前のプラズマ密度が低い場合には、ラバールノズルを用いない通常のガスパフより、2倍程度高いことを明らかにした。さらに、超音速ガスパフの特長を活かした、高繰り返し入射実験も進め、プラズマ周辺部に密度変調をかけ、密度揺動を外部励起することを試みる実験も実施した。将来の核融合炉を見据えた場合、高温プラズマからダイバータ部へのパルス的な熱負荷を軽減することが、重要課題の一つであり、この制御法の確立が急がれている。超音速ガスパフの密度変調によって、このパルス的熱負荷を大きく減少させえる現象を発見した。この成果は、求められる周辺プラズマ制御の手法としての適応可能性を示唆している。本研究以外でも、平成23年度のLHD実験において、超音速ガスパフ装置は、多くのプラズマ放電に使用され、プラズマ実験の進展に大いに貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
超音速ガスパフの高繰り返し入射によって、プラズマ周辺部に密度変調をかけ、揺動を励起する実験を行った。その実験結果は、将来の核融合炉で求められる周辺プラズマ制御の手法としての適用可能性を示唆している。超音速ガスパフを用いたプラズマの制御手法の確立につながる成果であることから、本研究は、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
超音速ガスパフの高繰り返し入射を用いた周辺プラズマの密度変調実験を続けて行い、プラズマへ与える影響を詳細に調べる。さらなる高周波の密度変調を行うために、装置の改良とノズルを組み合わせた実験等を計画している。それらの知見から超音速ガスパフを用いた周辺プラズマ制御手法の確立につなげる。
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Research Products
(5 results)