2011 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイム・シミュレーションを用いたインタラクティブな設計インターフェース
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11J01377
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
梅谷 信行 東京大学, 情報理工学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | シミュレーション / デザイン / インターフェース / 有限要素法 |
Research Abstract |
当初提案書で計画していた以上の内容の研究がなされ、権威のある学会誌にも2年連続で採択された。研究は極めて順調に遂行されているといえる。 8月上旬SIGGRAPHというコンピュータ・グラフィックス分野の最高峰の学会に去年度に採択された論文を口頭発表した。内容はリアルタイムのシミュレーションを使ったインタラクティブな服のパターンのモデリングのシステムである。SIGGRAPHは世界中から1万5千人を超える人があつまるコンピュータ科学でも屈指の大規模な学会であり、多くの注目を集めた。 学会での発表後に、インタラクティブな家具のデザインプロジェクトをスタートさせた。これは、物理的に正しい家具のデザインを支援するシステムに関する研究である。家具の安定性(倒れるか否か)や、堅牢性(壊れるか否か)を調べるには、物理的なシミュレーションが必要である。しかし、一般的な家具のデザインにおいては、モデリングとシミュレーションが分離しているのが一般的で、これではどのような編集が物理的に正しい家具を生み出すのかユーザーが理解することが出来ないので、物理的に正しい家具をデザインすることは難しかった。本プロジェクトでは、ユーザーがデザインした形状が安定性や堅牢性を満たさなくなった場合に、リアルタイムでユーザーにいくつかの修正例を提示する。またシミュレーションの結果を元ににして、どのようにユーザーが形状の修正を行うべきかということを矢印を使ってアノテーションされる。ユーザースタディや実際の製作を通じてシステムの有効性を検証した。物理的な性質を考慮した形状の提案アルゴリズムは新規的な概念であり、それらを高速に実現するアルゴリズムを提案したことが、高く評価され、2012年度のSIGGRAPHに条件付の採択が決定した。 今年度にはMicrosoftResearchAsia(MSRA)からのFellowshipも取得することができた。これはアジア圏にある上位大学の中からコンピュータ科学専攻の博士課程の学生が30人前後、選考を通じて選ばれるものであり、非常に競争率が高い。現在はMSRAにおいて、データベースを用いたリアルタイムのデザインとシミュレーション結果の融合について研究を行っており、2012年度のSIGGIUPH Asiaへの5月末の投稿を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2011年度は、SIGGIUPHと呼ばれる世界最高峰のComputerGraphics分野における会議で去年度に採択された服飾のパターンデザインに関する論文の発表をVancouverにて行った。また、2011年度の秋から、博士論文のテーマの一環として、インタラクティブな家具のデザイン・システムのプロジェクトを新たに立ち上げて研究を進めた。このプロジェクトの成果はSIGGRAPHの2012年度の会議に条件付採択された。このプロジェクトでは物理ベースのインタラクティブな例示を使ったモデリング・システムという大きな枠組みを提案することができ、大きな成果を挙げることができたと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
リアルタイムのシミュレーションを使ったデザインインターフェスについての本研究は非常に順調に遂行されており、特に大きな問題は見当たらない。もう少し複雑な現象についてもシミュレーションとデザインを組み合わせられること、ユーザーが簡単に高機能な物を作れるようなデザインのユーザーインターフェースの2つについて今後とも研究を続けていきたい。
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