2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J01446
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
當真 賢二 東北大学, 国際高等研究教育機構, 助教
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Keywords | ガンマ線バースト / 相対論的ジェット / 偏光 / 活動銀河核 |
Research Abstract |
ガンマ線バースト(GRB)とは、数十億光年の距離から数分以下の短時間、強烈なガンマ線が観測される天体現象である。その起源は不明な点が多く、活発な研究が行なわれている。本研究の目的は、これまでの私のGRB放射の理論的研究で用いた手法や得られたアイデアを拡張し、信頼のおけるバースト放射モデルを構築することである。それによってバーストを生成する相対論的ジェットの駆動機構を解明する。今年度も、昨年度に続いて、全計画の中の長期的計画「偏光情報を用いたGRBと活動銀河核(AGN)ジェットの駆動機構の統一的解明」を実行した。GRB放射の偏光について、私がこれまでに得た成果をGRB国際研究会において招待レビュー講演した。講演内容を議事録としてまとめ、arXivで発表した。また、これまでのGRB放射メカニズムの研究を評価され、日本物理学会若手奨励賞および日本天文学会研究奨励賞を受賞した。一方、AGNジェットについて、昨年度に高原教授(前受入研究者)と共同で論文を作成、投稿したが、レフェリーからの助言をもとにした修正を経て、受理された。この論文は、磁気流体ジェットを効率良く加速させるための磁場形状を探る新たな方法を提案し、それをもとに観測と整合的な加速を実現する磁場形状を示したものである。ジェットは重力波放射天体においても駆動される可能性があり、この成果は重力波研究の発展にも寄与する。実際、京都で開かれた重力波に関する国際研究会で口頭講演に選ばれ、成果を発表した。高原名誉教授とは、引き続き、ジェットの駆動機構に関して共同研究を続けている。最近、ブラックホールの回転エネルギーによってジェット駆動するモデルの詳細な物理機構を突き止め、論文を投稿した。この成果は本研究課題の目標である「ジェットの駆動機構の解明」に深く迫るもので、3年間の特別研究員奨励費を使った研究の中で最も大きな成果といえる。これだけで、GRBの放射機構と相対論的ジェットの駆動機構について、計画以上の成果が得られたといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(10 results)