2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11J01774
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
五十嵐 正樹 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 画像処理 / 画像フィルタ / 定数時間アルゴリズム |
Research Abstract |
本研究は,定数時間で高速に処理可能な画像フィルタについての研究であり,定数時間で処理可能な二次元加重値を広範な画像フィルタへ適用することを目的としている.画像フィルタは画像処理分野において広く用いられており,単体のみならず各種画像処理の前処理および後処理としても用いられる.提案型画像フィルタ構成手法は,各種画像フィルタに対して適用可能であり,画像処理分野全般に渡って貢献するものである.本年度に得られた成果を以下に挙げる. 1.高速な画像フィルタの帰納的構成手法の確立 これまでに実現した二次元加重値をより抽象化した帰納的移動和を提案した.移動和フィルタを複数回適用したものを元に,帰納的移動和を定義した.帰納的移動和は帰納的定義にて表現可能であり,逐次的に計算を行う際に以前の計算結果を保持しておくことによって,後々の演算へと活用し再計算を省くことが可能である.帰納的移動和を規格化することで,フィルタカーネルサイズに依存しないガウシアンフィルタ処理を実現した.また,帰納的移動和を多次元へと拡張することにより,二次元および三次元での画像処理にも適用できることを示した.提案手法によって構成された画像フィルタが定数時間で処理されることを示し,実験によって確認した, 2.提案型画像フィルタ構成手法のバイラテラルフィルタへの適用 バイラテラルフィルタは画像の輪郭を保持可能な平滑化フィルタであり,ノイズ除去やぼかし,照明光の推定など様々な目的に用いられる.上述の画像フィルタ構成手法をバイラテラルフィルタに適用し,定数時間処理を実現した. 3.提案型画像フィルタのソフトウェア実装における効率化の検討 提案型画像フィルタ構成手法について,ソフトウェア実装の際の効率化を検討した.プログラムの処理時間およびプログラムコードの簡潔さの二つの観点から,それぞれに適する形の実装手法を提案した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の目的として挙げた,二次元加重値を広範な画像フィルタへ適用することは達成している.各種画像フィルタに対して,提案型画像フィルタ構成手法の適用の可否についての検討も行い,ある程度明らかにした.以上のことから,本研究課題はおおむね順調に進展していると評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策は大きく分けて以下の二点である. 1.各種画像フィルタに提案型画像フィルタを適用することによって高速化を図る.特に平滑化フィルタの一種であるイプシロンフィルタおよびNon Local Meansフィルタの高速化を狙う. 2.提案型画像フィルタの高速化に際して,画像フィルタの処理速度とフィルタ近似精度の関係を明らかにする.
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Research Products
(2 results)