2013 Fiscal Year Annual Research Report
低分子プローブを用いたストリゴラクトン受容と代謝機構の解明
Project/Area Number |
11J01777
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
上野 琴巳 神戸大学, 農学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | ストリゴラクトン / 生合成 / ソルガム |
Research Abstract |
ストリゴラクトン(SL)は、植物の根圏に分泌される化合物で、アーバスキュラー菌根菌の菌糸分岐や根寄生雑草種子の発芽刺激活性を有する。また近年、リンや窒素が不足した栽培条件下で生合成され、植物の枝分かれ抑制や根の発達など植物ホルモンとしての作用も見出された。SLの基本骨格は三環ラクトンとエノールエーテルで結合したメチルフラノン環からなるが、2つのラクトン以外の部分は植物によって様々な修飾を受けている。それらの修飾は植物の種とは関係なく、また活性にも大きな影響がない。そこで今年度は、今後SLの生合成酵素や修飾酵素のスクリーニングができるようにSL生合成が活性化される要因について精査し、また様々な植物のSL様化合物を探索した。 材料は5-デオキシストリゴール(5-DS)の9位水酸化体・ソルゴモールを主要SLとして生合成しているソルガムを使用した。水耕ソルガムを栄養培地で育て、水道水に替えることで増加するソルゴモールの量について経時的にモニターした。すると水道水に替えてから3日後にソルゴモール量は急激に増加し、4日後からは24時間あたりの生合成量に変化がなかった。またソルガムの場合は、リン欠乏とともに窒素欠乏がSLの生合成活性化に重要であった。 一方でトウモロコシ、ヒマワリなどのSLについて再分析を行った。先行研究で、トウモロコシは5-DSとソルゴモール、ヒマワリは5-DSとアレクトロールを生合成していると報告されていた。しかし実際には両植物とも既知のSLは生合成しておらず、新規のSL様化合物を分泌していることが判明した。そこでヒマワリの新規SLを単離し、構造を決定した。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(3 results)