2013 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属気相選択成長法による化合物半導体ナノワイヤの太陽電池応用
Project/Area Number |
11J01867
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉村 正利 北海道大学, 大学院情報科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | ナノワイヤ / 化合物半導体 / 有機金属気相選択成長 / 太陽電池 |
Research Abstract |
我々は昨年度、ITO/p-InPナノワイヤヘテロ接合太陽電池の提案及び作製に成功し、短絡電流密度24.8mA/cm2、開放電圧0.44V、FF0.68で、発電効率7.4%を達成した。今年度はこのヘテロ接合ナノワイヤ太陽電池の詳細な特性評価及び結晶構造の解析を行った。 ソーラーシミュレータを用いて測定したAM1.5G下での電流―電圧特性のカーブフィッティングを行い、直列抵抗が0.21Ω・cm^2、並列抵抗が690Ω・cm^2、ダイオード因子が1.6であり、良好な整流特性を有していることが判明した。しかし、逆飽和電流密度は0.61μA/cm^2と高く、開放電圧の低下に関係していると考えられる。積分球を用いて測定した実効反射率は6.2%と低く、本構造がナノワイヤアレイの構造的特長を有していることを示している。内部量子効率は波長域350nm-750nmで80%以上であり、波長490nmにおいては94.2%と優れた値を達成した。波長550nm以下においては現行最高効率のInP膜型太陽電池よりも高く、本構造のポテンシャルの高さがうかがえる。p型InP上に透明電極であるITOをrfスパッタリングで堆積すると、p型InP最表面にキャリア濃度が約10^<19>のn+型反転層が形成されることが知られている。本構造も同様の手法で作製しており、最表面にn^+型反転層が形成し、埋込型ホモ接合がナノワイヤ先端部に形成されたと考えられる。それにより、短波長光により浅い所で生成される光励起キャリアが直ちに効果的に分離され、高い内部量子効率が得られたと考えられる。表面再結合を抑制する窓層やパッシベーション層などを導入することなく短波長側の量子効率を改善できたのは特筆すべき点である。これらの結果から、透明導電膜とのヘテロ接合ナノワイヤ太陽電池の有用性を実証することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
(抄録なし)
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Research Products
(8 results)